
【結論|屋根と外壁の色の組み合わせは「トーンを合わせる」「屋根を外壁より濃くする」という基本ルールを押さえると失敗しにくくなります】
外壁塗装をしようと決めて業者・価格が決まり、いよいよ色選び。しかし色見本を見ても似た色ばかりで、屋根と外壁の組み合わせがどう決まるのか分からない、という方は多いのではないでしょうか。
色選びに失敗すると、次の塗装工事までおよそ10年、気に入らない外観のまま過ごすことになります。せっかくお金と時間をかけて塗装するなら、後悔のない色選びをしたいものです。
この記事でわかること:
◯ 屋根と外壁の色の組み合わせ方の基本ルール
◯ グレー・ホワイト・ブラックなど色別の配色傾向
◯ カラーコーディネーター監修の人気配色9パターン
◯ 全国の施工事例5選(施工前後の写真付き)
◯ 色選びで失敗しないための4つのポイント
この記事が役立つ方:
◯ 外壁・屋根の塗り替えを検討しており、色選びで悩んでいる方
◯ 屋根と外壁をどう組み合わせればいいか分からない方
◯ 実際の施工事例やプロの配色例を参考にしたい方
目次
1. 屋根と外壁の色の組み合わせ|まず知っておきたい基本ルール
屋根と外壁の色の組み合わせに正解はありません。しかし「失敗しにくいパターン」には一定のルールがあります。まずは基本を押さえておきましょう。
1-1. 色の基本|トーンを合わせると失敗しにくい
色選びで迷ったときに最も頼りになる考え方が「トーンを合わせる」ことです。トーンとは色の明るさや鮮やかさの度合いを指します。暖かみのある色(ウォームトーン)同士、落ち着いた渋い色(クールトーン)同士でまとめると、全体に統一感が生まれます。
反対に、鮮やかな黄色の外壁と暗いグレーの屋根のように、トーンがかけ離れた組み合わせは全体がちぐはぐな印象になりやすいため注意が必要です。
また、使う色は2色〜3色以内に抑えることも重要です。色を増やすほど配色のバランスが難しくなり、落ち着きのない仕上がりになる可能性があります。後述する「ベース70%・アソート25%・アクセント5%」の面積比を意識すると、多彩な色使いでも統一感を保ちやすくなります。
1-2. 屋根は外壁より濃くするのが鉄則?
「屋根は外壁より濃い色にする」という考え方は、外壁塗装の世界では定番のセオリーです。屋根を濃くすることで建物が引き締まって見え、重心が安定した落ち着いた外観になります。また、屋根は汚れや色あせが目立ちやすい場所のため、濃い色の方がメンテナンス面でも安心です。
一方で近年は、屋根と外壁を同じトーンで統一する「ワントーン仕上げ」も人気を集めています。ブラックやダークグレーでまとめれば重厚感のあるモダンな外観に、ホワイトやライトグレーで統一すれば明るく洗練された印象に仕上がります。
「屋根を濃く」はあくまでセオリーのひとつです。求める雰囲気やイメージに合わせて柔軟に選んで問題ありません。
1-3. サッシ・付帯部との色合わせも忘れずに
外壁と屋根の色だけを考えてしまいがちですが、窓のサッシや雨樋・軒天・破風板などの付帯部との色合わせも重要です。特にリフォームの場合、既存のサッシ色をそのまま活かすケースが多いため、外壁や屋根の色と調和しないと全体がちぐはぐな印象になります。
白いサッシには淡色系の外壁が、黒やブロンズ系のサッシには濃色の外壁がよく合います。玄関ドアの色も含めて、全体で見たときにまとまりが出るよう意識することが、洗練された外観への近道です。
2. 色の組み合わせ成功事例5選|施工前後の比較で解説
実際に全国で行われた外壁・屋根塗装の色選び成功事例を5つ紹介します。どの事例も現状から色味を大きく変更し、理想の外観を実現した例です。
2-1. 重厚感重視|テラコッタ×スチールグレー(埼玉県川越市)
▼施工前
▼施工後:外壁:テラコッタ 屋根:スチールグレー
外壁にテラコッタ、屋根にスチールグレーを組み合わせた事例です。屋根と壁の色味にメリハリがあり、家の存在感が増しています。サッシの色とも調和しており、統一感のある重厚な仕上がりになりました。
2-2. 明るくイメージチェンジ|サンダルウッド×マホガニー(東京都八王子市N様邸)
▼施工後:外壁:クエリー サンダルウッド 屋根:マホガニー
外壁にクエリー・サンダルウッド、屋根にマホガニーを使用した事例です。まるで別の家のような印象に生まれ変わり、一回り大きく見えるほどの変化が生まれました。タイル部分を考慮したアクセント部分の色選びが全体のバランスを高めています。
2-3. デザイン性重視|クールホワイト×エバーグリーン(大阪府堺市南区M様邸)
▼施工前

▼施工後:外壁:クールホワイト3分艶 屋根:エバーグリーン

施工前は屋根がグレー系でしたが、施工後は屋根にエバーグリーン(濃いグリーン)、外壁は黄みのある白から青みのあるクールホワイトに変更しました。艶消し塗料を使うなど細部にもこだわりを入れており、家のデザイン性が際立つ仕上がりです。
2-4. シックにまとめる|ブラック×チャコール(山口県下関市H様邸)
▼施工前

▼施工後:外壁 ブラック 屋根:チャコール

外壁にブラック、屋根にチャコールを使用した事例です。施工前と比較し、ツートンに統一感が生まれました。玄関周りも塗り分けることで、シックで洗練された外観に仕上がっています。
2-5. ツートンで個性を出す(岐阜県美濃市I様邸)
▼施工前

▼施工後 外壁:日塗工 N-30 19-60A

一色から二色へと大胆に変更した成功事例です。上下の塗り分けでも縦ラインだけでもなく、絶妙な塗り分け箇所の選択によりツートンカラーのデザイン性が大幅に上がりました。外壁:日塗工 N-30 19-60A の組み合わせで、個性的かつまとまりのある外観を実現しています。
3. プロが選ぶ人気配色9パターン|色の組み合わせ実例集
建物の外装・内装のカラーコンサルタントである株式会社ケイズカラープランニング代表・黒田尚美先生が推奨する、家のカラーコーディネートパターンを9種類紹介します。同じ形状の家でも色が変わるだけで印象がガラリと変わることが分かります。
※色番号および色名は、塗料メーカーアステックペイントの外壁用標準色です。
※廃盤の色が含まれる場合があります。類似色をご用意しておりますので気になる色がある場合はお問い合わせください。
3-1. ナチュラル系(ウォーム・ヨーロピアン・フォレスト)
自然な温かみや素朴さを好む方におすすめのスタイルです。イメージワード:自然な/親しみやすい/穏やかな/素朴な/あたたかい/さわやかな/のどかな/くつろいだ
ウォームStyle
高級感のある檜皮色(ひわだいろ・8077)のような重厚な色も、外壁に練色(ねりいろ・8096)を使用することで自然な暖かさを与えられます。香色(こういろ・8097)も上品さと穏やかなイメージを両立させます。
ヨーロピアンStyle

弁柄色(べんがらいろ・8068)は自然色として代表的な赤茶。丁字色(ちょうじいろ・8095)は香木から染め出した色で明るい印象を与えます。土器色(かわらけいろ・8072)を加えることで素朴で暖かい雰囲気に仕上がります。
フォレストStyle

明るい日差しの森の中でくつろぐイメージの配色です。ジェードグリーン(9106)の落ち着きとオパールグリーン(9021)の爽やかさに、レモン(9009)のはじける輝きが新鮮な印象を加えます。
3-2. クラシック系(ナチュラル・フォーマル)
伝統の良さや格調を好む方におすすめのスタイルです。イメージワード:伝統的な/風格のある/格調のある/安定感のある/上質な/重厚な/おちついた/アンティークな
ナチュラルStyle

璃寛茶(りかんちゃ・8078)は江戸時代に上級階級に好まれた上品な色。白茶(しらちゃ・8093)も伝統配色によく見られる和紙の色で優しさを与えます。伽羅色(きゃらいろ・8094)を穏やかなアクセントカラーとして使用します。
フォーマルStyle

消炭色(けしずみいろ・8079)は重厚さを与える色。薄丁字(うすりょうじ・8084)でやわらかさを与えながら、アクセントカラーに栗色(くりいろ・8076)の伝統的で優雅な色を少しだけ加えて個性を出しています。
3-3. モダン系(モダン・クリア・シンプル)
都会的な斬新さや洗練感を好む方におすすめのスタイルです。イメージワード:革新的な/都会的な/理知的な/はっきりした/シンプルな/スマートな/シャープな/クールな
モダンStyle
深緑(ふかみどり・8098)は暗い色の中でも優しさを感じさせます。外壁は生成色(きなりいろ・8091)で明るく仕上げ、アクセントカラーの柳葉色(やなぎはいろ・8105)が落ち着いた中に新鮮さを加えます。
クリアStyle

消炭色(けしずみいろ・8079)の黒に近い屋根色に、真珠色(しんじゅいろ・8085)の明るい白色を外壁色にすることで典型的なモダンスタイルに仕上がります。アクセントのエレクトリックブルー(9014)でさらに個性的な印象になります。
シンプルStyle

ペリウィンクブルー(9006)の青みを帯びた爽やかな白に、ラピスラズリ(9107)の個性的な屋根色を合わせたシンプルな組み合わせです。クールグレイ(9012)が都会的な上品さを感じさせます。
3-4. ディレクションカラー(ポップ)
新しさや個性を求める方におすすめのスタイルです。
ポップStyle

開放的な明るさで親しみやすさを演出するカラーコーディネートです。家の形状などにより合う色・合わない色は出てきますが、色を変えるだけで見た目の印象がガラリと変わることが伝わったでしょうか。単色の塗料に加え、石調の塗料なども開発されておりデザイン性はさらに広がっています。
4. 色で印象が変わる|グレー・ホワイト・ブラック等の配色傾向
実際の人気色をベースに、屋根と外壁の組み合わせ例をまとめます。どの色系統を選ぶかによって家全体の印象が大きく変わります。
4-1. グレー系の組み合わせ|人気の理由と注意点
グレーは近年の外壁塗装で最も人気の高い色のひとつです。汚れが目立ちにくく、どんな色とも合わせやすいため、屋根・外壁ともにグレーを選ぶ方が増えています。
ライトグレーの外壁にダークグレーの屋根を合わせると、モダンで落ち着いた印象に仕上がります。チャコールグレーの屋根はホワイト系の外壁とも相性がよく、シャープで洗練された外観になります。
注意点としては、同系色でまとめすぎると全体がのっぺりとした印象になりやすいことです。付帯部やアクセント色に濃淡をつけるなど、メリハリを意識した配色を心がけましょう。
4-2. ホワイト系の組み合わせ|清潔感と汚れやすさのバランス
ホワイト系は清潔感があり明るく見えるため、外壁の人気色として長年選ばれ続けています。クリーンな印象を与えやすく、屋根の色を選ばずに合わせやすいのが特長です。
ただし、真っ白に近い外壁は汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。大通りに面した立地や近隣環境によっては、汚れが目立ちにくい少し濃い目のアイボリーやオフホワイトを選ぶことも検討しましょう。
屋根との組み合わせは、ブラック・チャコール・ネイビーなど濃色の屋根と合わせると引き締まった印象に、ベージュやブラウン系の屋根と合わせると柔らかく温かみのある雰囲気になります。
4-3. ブラック・ダーク系|重厚感を出したい方に
ブラックやダークブラウン系の外壁は、高級感や重厚感を出したい方に人気の選択肢です。近年ではモダンでスタイリッシュな外観を求めるニーズの高まりから、ダーク系を選ぶ方が増えています。
屋根も同系統の濃色でまとめると全体がシックにまとまります。外壁がブラック・チャコール系であれば、付帯部にシルバーや白を差し色として取り入れることでメリハリが生まれます。
注意点として、ブラック系の外壁は熱を吸収しやすいため、夏場の室温上昇が気になる場合は遮熱塗料との組み合わせを検討すると快適性を保ちやすくなります。
5. 色選びで失敗しない4つのポイント
塗装の失敗で最も多いのが「イメージと違う」「こんなはずじゃなかった」という色味とのギャップです。ここでは失敗しないために押さえておくべき4つのポイントを解説します。
5-1. 環境・周辺との調和をイメージする
まず近隣3〜4軒と自宅が一緒に映った写真を撮影し、周囲の住宅の色と調和させるのか、目立たせるのかを話し合いましょう。ご家族で自宅周辺を歩いてみて、気に入った色があれば色名を確認しておくこともおすすめです。
立地条件も大きく影響します。大通りに面している場合は、汚れが目立ちにくい少し濃い目の色を選択肢に入れると長期間きれいな状態を保ちやすくなります。自然の中や別荘地にある建物と住宅地にある建物では、似合う色が自ずと異なります。
環境を確認したうえで、以下の3点を整理しておきましょう。
①理想とするイメージを言語化する
②今の色と比べてトーンを明るくしたいのか、暗くしたいのかを決める
③近隣3〜4軒と自宅が一緒に入った写真を撮っておく
5-2. 面積効果|大きい色見本で確認する
塗料メーカーの小さな色見本では、実際に外壁に塗ったときの色味が想像しにくいものです。同系色を小さな見本で並べると違いがほとんど分からない場合も多くあります。
数色で迷ったときは、まずA4サイズ以上の大きな色見本を業者から取り寄せて比較しましょう。面積の大小により色の見え方が変わることを「面積効果」といいます。一般的に明るい色は大きな面積の方がより明度と彩度が高く感じられ、暗い色は明度が低く見えます。外壁は非常に大きな面積を塗るため、できるだけ大きな色見本で確認することが重要です。
5-3. 太陽光で朝・昼・夜に確認する
大きな色見本帳で候補色に絞れたら、次は必ず外の太陽光のもとで確認しましょう。蛍光灯は青の波長を多く含んでいるため、室内で見た色と外で見た色にギャップが生じることがあります。
さらに朝・昼・夜でも光の当たり方が変わるため、時間帯を変えて複数回確認することをおすすめします。それでもイメージがつかない場合は、施工会社に試し塗りを相談してみるのも一つの方法です。ただし試し塗りには塗料の仕入れが必要なため、費用が多少かかるケースもあります。
5-4. カラーシミュレーションを活用する
色味ではなく全体の配色イメージを確認したい場合は、カラーシミュレーションが効果的です。サッシや付帯部とのバランスが取れているか、屋根と外壁の組み合わせがおかしくないか、ツートンの配合バランスはどうか、といった全体像の確認に適しています。
ただしカラーシミュレーションはパソコンのモニターや印刷インクにより見え方が変わるため、近似色の細かい比較には向きません。大きく色を変更する際の全体イメージ確認に活用しましょう。
カラーシミュレーションについて詳しくは以下の記事も参考にしてください。
6. デザイン性を高める色の使い方
基本的な色選びに慣れてきたら、よりデザイン性の高い配色にも挑戦してみましょう。ここでは色彩調和の考え方から、ツートン・バイカラーの塗り分け方、多彩模様塗料まで解説します。
6-1. 色彩調和|まとめる配色ときわだつ配色
外壁の配色には大きく2つの方向性があります。全体をまとめてまとまりを出す「まとめる配色」と、アクセントを加えて個性を際立たせる「きわだつ配色」です。
まとめる配色では、同系色や近い色を組み合わせることで統一感のある落ち着いた外観になります。きわだつ配色では、補色(色相環で対角に位置する色)を取り入れることで互いの色が引き立ち、存在感のある外観になります。どちらが自分のイメージに合うかを先に決めてから色選びに入ると迷いが減ります。
6-2. ベース70%・アソート25%・アクセント5%の面積比
色と色の組み合わせを考えるうえで「面積比」は非常に重要です。一般的に以下の割合がバランスの取れた配色とされています。
| 役割 | 面積比 | 外壁への当てはめ |
|---|---|---|
| ベースカラー(基本) | 約70% | 外壁のメインカラー |
| アソートカラー(調和) | 約25% | 屋根や塗り分けする外壁の色 |
| アクセントカラー(変化) | 約5% | 車庫・テラス・ドアの色 |
男性のスーツ姿にたとえると、スーツがベース、ワイシャツがアソート、ネクタイがアクセントのイメージです。ベースカラーで全体の印象が決まり、アソートカラーで補助し、アクセントカラーで個性を加えます。
6-3. ツートン・バイカラーで成功する塗り分け方
より個性を出したい方におすすめなのがバイカラー(二色使い)です。大きな面積で塗り分ける際、縦縞模様はクールでスタイリッシュな印象を、横縞模様は落ち着いた穏やかな印象を与えます。
組み合わせる色味によっても印象は大きく変わります。穏やかな色同士の組み合わせは柔らかく温かみのある印象に、爽やかな色を合わせると軽やかでさわやかな印象に、華やかな色を組み合わせると個性的で目を引く外観になります。
ツートンの塗り分け箇所はサイディングボードの切れ目やベランダ部分に合わせると境界線がきれいに仕上がります。中途半端な位置からの塗り分けは境界線が目立ちやすいため注意しましょう。なりたいイメージに沿って、組み合わせと塗り分け箇所を同時に検討することが大切です。
6-4. 高級感を出したい方には多彩模様塗料
さらに高級感を求める方には、単色ではなく石調仕上げのように見える多彩模様塗料がおすすめです。立体的に演出されるため家が大きく見える効果もあります。
全面に使用するだけでなく、ポイントとして使用したり、バイカラーの一色として取り入れたりすることでさらに高級感や立体感のある仕上がりを表現できます。
7. まとめ:屋根と外壁の色の組み合わせで後悔しないために
この記事で解説した内容を振り返ります。
◯ 屋根と外壁の色はトーンを合わせると失敗しにくく、使う色は2色〜3色以内が基本
◯ 「屋根を外壁より濃くする」はセオリーのひとつ。ワントーン仕上げも近年人気
◯ サッシや付帯部との色合わせも全体のまとまりに大きく影響する
◯ A4サイズ以上の色見本で、太陽光のもと朝・昼・夜に確認するのが失敗しない鉄則
◯ カラーシミュレーションは全体イメージの確認に有効だが、近似色の比較には向かない
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