錆止め塗料

金属の錆があるのか気になって、錆止め塗料を塗りたいと思っているけど、錆止め塗料にはどんな色の種類があるのか?その価格は?実際の効果はどれほどあるのか?などの疑問をお持ちではないでしょうか?

かつては赤錆色のものが多かった錆止め塗料の色も、近年では灰色や白などの種類も出てきました。でも、いろんな種類の錆止め塗料があるのでどれを選べばいいのかわかりませんよね。

かといって、適当に選択してしまうと錆を止めることができないかもしれません。なぜなら、錆止め塗料は適切な下地処理を行い、下地の状態によって適切な錆止め塗料を選択しなければ、その効果を十分に発揮できないからです。

この記事では、錆止め塗料の基礎知識や効果、選ぶ時に役立つ知識などをお伝えいたします。

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1.錆止め塗料とは金属の腐食を防ぐ為の塗料

錆止め塗料とは、金属の腐食を防ぐ効果のある塗料を指します。金属の表面に皮膜を形成し、錆の原因である水や酸素を遮断・除去することで錆や腐食を防ぎます。

塗料の成分は顔料・樹脂・溶剤・添加物などで構成されますが、錆止め塗料は防錆効果のある顔料を使用することで錆止め効果をもたせています。

かつての錆止め塗料は鉛系やクロム系が中心でしたが、近年は人体への影響や公害の問題から、鉛クロムフリーの錆止め塗料の開発が進んでいます。

代表的な錆止め塗料には樹脂の分類ではエポキシ樹脂系、油性系、合成樹脂系、フェノール樹脂系、エッチングプライマーなどがありますが、近年の主流はエポキシ樹脂系です。

2.錆止め塗料の色は赤茶色だけじゃない

錆止め塗料の色は赤茶色系がよくみられます。それは、かつて主流であった鉛系の錆止め塗料の原料となる鉛丹、亜酸化鉛、塩基性クロム酸鉛が赤い色をしているからです。しかし、近年は公害問題などから鉛を含まない成分の錆止め塗料も増えてきており、それに伴って錆止め塗料の色の種類も増えてきました。

例えば、ニッペホームプロダクツのカラーさび止め塗料、アクリル樹脂ペイントでは、ホワイト、アイボリー、グレー、ブルー、グリーン、赤さび色、チョコレート、ブラックの8種類の色があります。

カラーさび止め塗料(全8色) _ ニッペホームプロダクツ

画像出典:ニッペホームプロダクツWEBサイト カラーさび止め塗料ページ

白は日射反射率が高いため、遮熱を期待したい場合に適していますが、上塗りの色との相性も注意が必要です。

しかし、プロが使うエポキシ樹脂系の錆止め塗料などは未だに赤さび色、グレーなどが多いです。
最終的には上塗りの色で錆止めの色が覆われる点や、金属に近いグレーや赤さび色が相性良いため、プロの現場ではカラフルな錆止め塗料はあまり使用されません。

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3.錆止め塗料の種類

成分によって多くの種類がある錆止め塗料。分類やJIS規格ごとに整理してどのような種類があるのかを紹介します。

3-1.錆止め塗料は油性系とエポキシ樹脂系に大別される

錆止め塗料は油性系とエポキシ樹脂系があり、油性系にはJIS規格で主に油性系(1種)、合成樹脂系(2種)があります。

一般的に錆止めを2回塗りする場合は1回目に1種、2回目に2種を塗ることを推奨されています。

油性系(1種)

乾燥に時間がかかりますが、膜厚が厚いため、防錆性に優れています。作業性の問題などから、最近では、ほとんど使用される事はありません。

合成樹脂系(2種)

乾燥が早く、仕上がりも良いですが、油性に比べて防錆性はやや劣ります。

エポキシ樹脂系

エポキシ樹脂系の錆止め塗料はエポキシ樹脂に錆止め顔料を入れたもので、付着性、防食性、耐久性に優れ、防錆効果が高いです。エポキシ樹脂は素地の内部へ浸透し、脆弱な素地を補強する効果を持ち、塗り替えや新築工事で最も使用されている錆止め塗料です。

3-2.錆止め塗料の種類、特徴、選び方

錆止め塗料の種類

非常に種類が多いですが、鉛系は現在ではほとんど使用されず、現在最も多く使用されているのは変性エポキシ樹脂系です。

種類特徴
一般錆止めペイントさび止め顔料に鉛系及びクロム系成分を使用せず、一般的な環境下での鉄鋼製品などに用いるさび止めペイント。種類は従来の1種は油性系(内外部用)、2種は合成樹脂系(内外部用)、3種は速乾形(内外部用)に加え、4種に水性系(内部用)が追加されている。
鉛丹さび止めペイントさび止め顔料に鉛丹使用。古くから使用されているさび止め塗料だが、層間剥離が起きやすいことなどから近年は減少している。
鉛酸カルシウム錆止めペイントさび止め顔料に鉛酸カルシウムを使用。
塩基性クロム酸鉛さび止めペイントさび止め顔料に塩基性クロム酸鉛を使用。鉛とクロムの両者が防錆力を発揮します。油性系と合成樹脂系がある。現在ではほとんど使用されていない。
ジンククロメートさび止めペイントさび止め顔料にジンククロメートを使用。ジンククロメートは油との反応性が強いため、合成樹脂系のみ。二酸化チタンが配合され、主に軽金属や構造物に使用するタイプと酸化鉄が配合され、主に鉄鋼製品に用いられるタイプがある。本質的に水に溶けやすく、水がかりや結露しやすい箇所には不向き。
鉛丹ジンククロメートさび止めペイントさび止め顔料としてジンククロメートと鉛丹が使用。鉄鋼構造物や船舶の鉄鋼部分などの地塗りに使用される。合成樹脂系のみ。ジンクロクロメート系は近年あまり使用されていない。
シアナミド鉛さび止めペイントさび止め顔料にシアナミド鉛を使用。シアナミド鉛が鉛丹同様の防錆効果を発揮。シアナミド鉛は鉛系さび止め顔料の中で最もアルカリ性が高く、酸性水(雨水)などの中和能力が高く、優れた防錆力を発揮する。橋梁・タンク、建築用途に広く用いられる。
亜酸化鉛さび止めペイントさび止め顔料に亜酸化鉛を使用。橋梁・タンク・プラントなどの大型物件に使用されるケースが多い。
鉛・クロムフリーさび止めペイント鉛酸カルシウムが白色であるため、白色さび止めペイントとして使用可能。亜鉛メッキ用のさび止めとして用いられる。
水系さび止めペイント建築基準法の改正に伴いシックハウス対策として、屋内の鋼製面、亜鉛メッキ面に使用できる水系さび止めペイントとして開発された。
ジンクリッチプライマーさび止め顔料に亜鉛末を使用。高濃度の亜鉛末を含有しており、防食性に優れているので重防食塗装に用いられる。
厚膜形ジンクリッチペイント膜厚に塗装できるジンクリッチ塗料。防食性に優れている。
構造物用さび止めペイント橋梁、タンク、プランとなどの鋼構造物及び鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金の建築などの金属部分に用いる。3種は塗り替えにも使用可能。上塗りには、ウレタン樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、ふっ素樹脂系塗料などが用いられる。
変性エポキシ樹脂プライマーエポキシ樹脂に変性樹脂を加えたさび止めペイント。塗り替えに多く用いられる。変性樹脂を配合することで2種ケレンや既存塗膜が活膜ならその上から塗装できるように設計されている。また、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛メッキ鋼板などの各種金属への付着性が良いので、これらの下塗りに用いられる。上塗りは油性系塗料からふっ素樹脂塗料までの広範囲に使用できる。
エッチングプライマーエッチングプライマーは金属塗装の際に、接着剤のように金属素地に対する付着性を増加する目的で用いる1種と、鋼板の素地調整後、本格塗装を行うまでの間、一時的に防錆する2種タイプがある。

参考:新しい塗装の知識(日本塗料工業会)

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3-3.錆止め塗料の選び方

錆止め塗料は、錆の進行度・下地の素材・使用環境によって適した製品が変わります。選ぶときは、この3つの視点で確認すると失敗しにくくなります。

①錆の進行度で選ぶ

錆がまだ発生していない、または表面にうっすら出ている程度の軽微な状態であれば、汎用的な一液タイプの錆止め下塗材で十分に対応できます。すでに錆が広範囲に発生している、または進行している場合は、防錆性能を高めたタイプの製品を選ぶか、専門業者に下地の状態を見てもらうことをおすすめします。

②下地の素材で選ぶ

金属屋根・金属サイディングにはカラー鋼板、ガルバリウム鋼板、ステンレス、アルミニウムなど複数の素材が使われており、素材によって対応できる錆止め塗料が異なります。塗装前に下地の素材を確認しましょう。

③使用環境で選ぶ

住宅街や市街地などの一般的な環境か、海に近い塩害地域・工業地域など腐食が進みやすい環境かによって、必要な防錆性能のレベルが変わります。

状況選び方の目安
錆がまだ発生していない/軽微汎用的な一液タイプの錆止め下塗材で対応可能
錆が広範囲・進行している防錆性能を高めたタイプを選ぶ、または専門業者へ相談
塩害地域・工業地域など腐食環境が厳しい防錆性能の高い製品と定期点検を組み合わせる

 

4.錆止め塗料の各社製品と価格相場

多くのメーカーから様々な種類の錆止め塗料が販売されています。近年、建物の錆止めにはエポキシ樹脂系が主流です。価格帯は15kg~20kgの量で、¥10,000~45,000程。

メーカー商品名分類価格相場特徴・用途
 アステックペイントエピテックメタルプライマー強溶剤形1液変性エポキシグレー  16kg加盟店価格特殊変性エポキシ樹脂が各種金属素地に優れた密着性を発揮し、速乾性に優れている。無毒性防錆顔料を使用し、金属素地を錆から防ぐ。用途は銅・亜鉛メッキ・ステンレス・アルミニウム。
 アトミクスアトムエポガードプライマー弱溶剤2液型エポキシグレー 15kg¥24,800~ 27,000弱溶剤の使用により、旧塗膜を侵しにくく、塗り替えに最適。用途は油性系合成樹脂系旧塗膜のある屋根の塗り替え 鉄骨建造物等の新設塗装及び塗り替え。
イサム塗料エポロMPプライマー弱溶剤2液型エポキシ 16.5kg ¥20,000~22,000弱溶剤形の防錆プライマーで、旧塗膜を侵す(リフティング)心配が無い。用途はサイディングボードなど。
エスケー化研SKマイルドボーセイ弱溶剤2液型変性エポキシ
赤さび色
クリーム
グレー
ダークグレー
 16kg ¥11,300~13,500刷毛やローラーによる作業性に優れ、平滑で滑らかな塗膜を形成し、上塗材の光沢を十分に引き立てる。用途は鉄部・亜鉛メッキ鋼板・アルミニウム・ステンレス・ガルバリウム鋼板。
エスケー化研水性エポサビアンダー1液形水性特殊変性エポキシ
クリーム
グレー
 16kg ¥12,900~水性塗料では困難とされた防錆性・密着性・乾燥性を実現。用途は建築物内部、建屋鉄骨、鉄扉、門扉、手摺、軽量鉄骨など。
関西ペイントアクアマックスEX水性1液型エポキシグレー
赤さび色
 16kg ¥11,400~12,650環境性能と防食性に優れた 水性さび止め塗料。水性の1液性なので扱いやすい。用途は外部・内部における一般鉄部、建屋鉄骨、架台、看板、手すり、鉄扉、門扉。
関西ペイントスーパーザウルス弱溶剤2液型エポキシ
グレー
赤さび色
  16kg ¥14,500~26,400素地(特にさび層)浸透性が優れる・付着性が高い。用途は金属類の錆止め。
キクスイキクスイサビスト2液反応硬化形エポキシライトグレー20kg¥23,000防錆・防食に優れた効果を発揮する変性エポキシ樹脂系サビ止め塗料。用途は一般建築物の鉄部用錆止め塗料。
ジャパンカーボラインラストボンドSG2液混合型浸透性エポキシシーラー淡黄色クリヤー 4kg¥12,800旧塗膜、錆面、ステンレス面、黒皮面、その他非鉄金属面に適用可能。
大日本塗料グリーンボーセイ速乾鉛・クロムフリーさび止めペイント
赤さび色
グレー
ダークグレー
淡彩色
 20kg ¥8,500~17,800鉛・クロム等を使用していないため環境に優しい。刷毛さばきが良く、エアレス塗装の作業性が良好。
大同塗料サビタイトマイルド弱溶剤2液型エポキシグレー

赤さび色
 16kg ¥18,000強溶剤塗料に比べ、溶剤の臭いが少なく、作業性・付着力・防錆力も優れている。用途は鉄部等、その他金属の錆止め。
大日本塗料エポオールスマイル弱容剤2液型エポキシグレー
ライトグレー

赤さび色
 15kg ¥16,200~19,280強溶剤型エポキシ系錆止めと同等の防錆性能を持ち、各種旧塗膜への塗り重ね適合性に優れる。用途は木部、鉄部。
日本ペイントニッペジンキー8000ジンクリッチプライマーグレー20kg¥30,800~45,200エポキシ樹脂系の一次プライマー。塗装作業性に優れている。用途は鉄構造物(工場塗装)。
日本ペイントオーデハイポンプライマー水性2液変性エポキシ樹脂
グレー
赤さび色
 15kg ¥18,900水道水で希釈ができ、臭気が少なく、環境に配慮した塗料。乾燥が速く、作業性に優れている。用途は鉄、ステンレス、劣化溶融亜鉛メッキ 、電気亜鉛メッキ、アルミニウム、アルマイト処理板、ガルバリウム鋼板、FRP板。
日本ペイントハイポンファインプライマーⅡ弱溶剤2液型変性エポキシ黒さび色
赤さび色
グレー
 15kg ¥11,000~14,6002液形エポキシ樹脂系塗料の高防食性を保持したまま、 さらに使いやすさを追及。乾燥性にすぐれ、塗り替えに向いている。用途は鉄・ステンレス・溶融亜鉛メッキ・クロメート処理亜鉛メッキ・電気亜鉛メッキ・アルミ・アルミアルマイト・プラスチック。

※価格は主な通販サイトの価格を調査

錆止め塗料の防錆性能は、JIS規格に基づく試験データがあるかどうかが製品選びの目安になります。
一例として、本サイトを運営するアステックペイントでは、金属下地用の錆止め下塗材についてJIS K5674の規格に沿った防錆性能試験を実施しています。

試験方法(サイクル腐食性試験)

錆の発生していない鋼板に錆止め塗料を塗装し、鋼板まで達する切り込み(×カット)を入れたうえで、①塩水噴霧②湿潤③乾燥の3工程を1サイクルとして、JIS K5674の規格である36サイクルを繰り返し、錆の発生状況を確認する試験です。

※※写真は社内試験によるものです。切り込み部分は素地まで達する傷のため、この部分に錆が生じるのは想定内であり評価の対象外です。試験環境での結果であり、実際の施工現場での効果を保証するものではありません。地域・下地の状態・施工方法により効果は変動します。

錆止め塗料は見た目が同じでも、製品によって防錆性能に差があります。JIS規格に基づく試験データが公開されているかどうかは、製品を選ぶときの一つの目安になります。下地の状態に合った製品を選ぶことが、長持ちさせるための第一歩です。

工場・倉庫などにお勧めの錆止め塗料(防錆処理剤)

サビブロック防錆処理剤(アステックペイント)

サビブロック

ケレンしてもサビが除去し切れない場合にサビを強力に固める、高性能防錆処理剤です。
薬剤がサビ最深部まで浸透し、発錆要因の水と空気を外部に強力に押し出すことで既存サビの進行を抑制。
サビ内部をカプセル化して押し固め、表面も被膜することで、外部からの水と空気を完全に遮断し新たなサビの発生を防ぎます。

塗布面積価格(税別)詳細情報・購入
15㎡用9,890円詳細はこちら
30㎡用12,490円詳細はこちら
60㎡用15,900円詳細はこちら

錆止め塗料がしっかりとした効果を発揮するには、素材に応じた適切な錆止め塗料の選定と、事前の作業が重要です。

次の記事でくわしく解説していますので、ぜひご覧ください。

素材に合った選択が重要!錆止め塗料の効果とは?