コンクリート外壁

コンクリートを使用した外壁や床、塀は、モダンでオシャレな風合いが特長です。
しかし、コンクリートは空気中の二酸化炭素と反応し中性化を起こしたり、乾燥収縮・凍害もしくは、使用による荷重によって劣化していきます。

コンクリートは塗装・メンテナンスを行うことで「美観を保つ」効果と「耐久性を向上させる」効果が期待できます。
しかし、コンクリートを使用した箇所にはそれぞれに適切な塗装・メンテナンスを行わないと期待した効果を得ることはできません。
今回は、
・コンクリートで塗装・メンテナンスを行うタイミング
・コンクリート塗装でおすすめの塗料の種類
・コンクリート塗装・メンテナンスの方法と注意点
をご紹介します。

1.コンクリートの塗装の必要性

コンクリートは外壁や床、ブロック塀などお家の様々な箇所に使用されています。
適切なタイミング、方法で塗装によるメンテナンスを行うことで様々な効果が期待できます。

1-1.空気や雨による劣化を防ぐ

コンクリートは、ひび割れから雨水が染み込むことで内部の鉄筋が錆びたり、空気中の二酸化炭素によってコンクリートの成分が中性化してしまい内部の鉄筋が錆びてしまったりと、経年により劣化していきます。
劣化の対策として最も一般的かつ有効な手段が塗装です。
塗装によって、
・雨水が内部に浸入することを防ぐ
・空気がコンクリートに直接あたりにくくする。
・ひび割れが起きても塗膜が水や二酸化炭素の侵入を防ぎ、内部からの劣化を防止する
といった効果が期待できます。

1-2.雨漏りのリスクをなくす

外壁や、ベランダ床のような雨や紫外線にさらされやすい箇所では、劣化を放置すると、ひび割れから雨水が浸水して大掛かりな修繕が必要になる場合もあります。そのため、大事になってしまう前に定期的な塗装を行うことが重要です。

1-3.美観を保ちつつ、好みの見た目に変える

色を変更することで、より好みの見た目に変えたり、お家のイメージをガラリと変えたいという場合にも効果的です。

2.【施工場所別】コンクリートの塗装の種類と選び方

コンクリートは建物の外壁、床、塀といった様々な部位で使用されています。
しかし、同じコンクリートでも使われている場所によって、耐用年数や塗装・メンテナンスの方法が異なります。
本章では、外壁、床、塀それぞれの箇所でどんな塗装を行うのか、またどの方法が良いのか、その選び方をご紹介いたします。

2-1.【コンクリート外壁】塗装の種類と選び方

コンクリート外壁において重要なのは、「雨水や二酸化炭素といった劣化要因をコンクリート外壁に触れさせないか」です。コンクリート外壁でよく使用される塗装方法をご紹介いたします。

①撥水塗料

撥水塗料は、水を弾く性質を持つ塗料です。コンクリート外壁の表面に塗装することで、内部の鉄筋を水から守り、腐食を防ぐことができます。また、透明タイプの撥水塗料を選べば、コンクリート本来の質感や風合いを保ちながら保護できるという利点もあります。

②弾性塗料

ゴムのように伸びる柔らかい塗料です。コンクリートがひび割れ(クラック)を起こしてもひび割れに追随して伸びることで「ひび割れから水分がコンクリート内に入ってしまう」ことを防止することができます。
ただし、弾性塗料は一般的に厚みがあるため、もとのコンクリートの風合いはなくなってしまいます。また、塗装表面が一般的な塗装より柔らかく「汚れが付きやすい」というデメリットもあるため、交通量の多い道路に面している場合などは汚れやすいため注意が必要です。

③コンクリート再現工法

元のコンクリートを塗りつぶした後、「コンクリートの風合いを再現する」工法です。補修の後を隠せる、好きな雰囲気にした上でその風合いを保つことができるというメリットがあります。
一方で、再現には高度な技術力が求められるため、施工できる業者が限られていることや、工期が長くなる傾向があるなど、慎重な業者選びが必要となります。

2-2.【コンクリート床】塗装の種類と選び方

コンクリート床の塗装においては、「水や空気などの劣化要因からコンクリートを守る」ことはもちろん「多くの往来があっても塗装の効果が続く『耐久性』」も重要です。
コンクリート床でよく使用される塗装方法をご紹介いたします。

①強度が高く負荷がある場所に向くエポキシ系塗料
エポキシ系塗料は耐水性に優れ、また耐摩耗性が高いため、ガレージのような「大きな負荷がかかる」コンクリート床の塗装に向いています。
ただし、紫外線に弱いため、バルコニーのような屋外にあるコンクリート床の塗装には向きません。

②日常生活で使用される箇所にむくウレタン系塗装
ウレタン系塗料はエポキシ系と並んでコンクリート床によく使われる塗料です。エポキシ系塗料より、耐摩耗性は低いものの、
・柔軟性があり、床下の微細なひび割れの追従性、歩行時の快適性が求められる場面で効果的
・エポキシ系塗料に比べ紫外線に強い
・美しいな仕上がりになる
といったメリットがあるため、日常生活で使う場所や、人目につきやすい場所に適しています。

③FRP塗装
FRP塗装は、ガラス繊維と樹脂を組み合わせてコンクリート床をコーティングする防水工法です。防水層は継ぎ目もなく、優れた防水性能を発揮します。
また、ガラス繊維を塗料に組み合わせることで高い耐久性を発揮するため、
「高い防水性と傷みにくさが求められるバルコニー」によく使用されます。

2-3.【コンクリート塀】塗装の種類と選び方

コンクリートの塀は主に

・ブロック塀
・コンクリート塀

の2種類存在します。
それぞれで使うべき塗料が全く異なるためコンクリートの塀を塗装する際は注意が必要です。
また、コンクリート塀は建物と違い、放置されることが多いですが、劣化を放置すると倒壊によって人命や財産に関わる深刻な事故につながる可能性があります。特に災害時は、老朽化したブロック塀の倒壊による痛ましい事故が実際に発生しています。

①ブロック塀塗装の場合は透湿性を重視
ブロック塀は、ブロックを積み重ねた構造のため隙間が多く、「水が染み込みやすい」という特徴があります。
そのため、ほかのコンクリート塗装とは異なり、湿気を通しやすい「透湿性の高い塗料」を使用することが重要です。

②コンクリート塀の場合は弾力性重視
鉄筋を軸に入れたコンクリート塀には、撥水塗料や弾性塗料を使用することで劣化を抑えることができます。
また、コンクリート塀はコンクリート外壁と違い、比較的容易に撤去と再設置が可能なため、劣化がひどい場合は、撤去し新しい塀を設置することもひとつの手です。

3.塗装が必要となるコンクリートの劣化症状一覧

コンクリートの劣化は建物全体へのダメージ、美観の喪失、倒壊の危険性など多くのトラブルにつながります。
しかし、定期的に確認することで致命的な劣化症状が起きるまえにメンテナンスによって回復することが可能です。本章では、コンクリートによく見られる劣化症状をご紹介いたします。

3-1.ひび割れ

コンクリートの劣化の中でも特に多いのが「ひび割れ」です。0.3mm以上の大きなひび割れは「構造クラック」と呼ばれ建物の安定性を脅かす劣化であり早急に対応したい症状です。
0.3mm未満の微細なひび割れ「ヘアークラック」も、内部に雨水や二酸化炭素が入っていく侵入経路になってしまい、コンクリートを内側から徐々に劣化させていくため、注意が必要です。

3-2.鉄筋の錆び

コンクリートの内部の鉄筋が、中性化や雨水や塩分によって錆びてしまうとコンクリートの構造自体が脆くなったり、錆びた鉄筋が膨張した結果コンクリートを押し広げ、ひび割れや剥落を引き起こします。
内部の鉄筋の錆の進行は目視できないため、鉄筋の錆びが表面化してしまう前に錆びの原因となる、ひび割れや塗装のメンテナンスを行うことが大切です。

3-3.表面に白い汚れが発生するエフロレッセンス

コンクリート内部の成分が溶けだしコンクリート表面に白いシミ汚れとして出てくる現象です。
エフロレッセンスが発生する箇所はひび割れや欠けが発生している可能性が高く、水の浸入経路となるため注意が必要です。

4.コンクリートを長持ちさせるコツ

4-1.ひび割れを発見したらすぐに補修する

コンクリートのひび割れは、早期対応が重要です。
ひび割れから二酸化炭素が内部に侵入すると、アルカリ性のコンクリートと反応して「中性化」という現象が起こります。中性化が進むと内部の鉄筋が急速に錆びやすくなるため、「小さなひびだから大丈夫」と放置せず、早めの補修をおすすめします。

4-2.水垢やカビ、シミが出来ていないか注意する

水垢やカビ、シミができているということは「塗装が剥がれている」または「しっかりとした塗装が出来ておらず、塗膜の内部に水分が溜まってしまっている」状態です。
前者の場合は、適切なメンテナンスを行うことですぐに修繕することができますが、後者の場合は一刻も早く塗り直しをする必要があります。
塗膜の内部に水が溜まると劣化を促進してしまいます。

4-3.定期的な塗装を行う

コンクリートを長持ちさせるには、定期的な塗装メンテナンスが不可欠です。
塗装はコンクリートを雨水や二酸化炭素、紫外線などの劣化要因から保護する役割を果たしています。しかし、塗膜も経年劣化するため、適切なタイミングでの塗り替えが重要です。

塗装メンテナンスのタイミング:
・一般的に10〜15年が塗り替えの目安
・使用する塗料の種類や環境条件によって前後する
・チョーキング(白い粉が手につく)、ひび割れ、色褪せなどの症状が見られたら塗り替えのサイン

定期的な塗装により、コンクリート自体の寿命を大幅に延ばすことができ、結果的にメンテナンスコストの削減にもつながります。

5.コンクリートの塗装はDIYでできる?

結論から言うと、コンクリートの塗装はDIYでも可能ですが、専門業者への依頼を強くおすすめします。
一見シンプルに見えるコンクリート塗装ですが、実は高度な知識と技術が必要な作業となります。

5-1.コンクリート塗装がDIYに向かない3つの理由

①下地処理の難しさ

コンクリート塗装で最も重要なのが下地処理です。

表面の汚れ、油分、旧塗膜の除去
高圧洗浄による徹底的な清掃
乾燥状態の適切な管理
これらの工程が不十分だと、どんなに高品質な塗料を使用しても塗膜がすぐに剥がれてしまいます。特に素人では判断が難しい「適切な乾燥状態」の見極めが、施工品質を大きく左右します。

②クラック(ひび割れ)補修の専門性

コンクリートのひび割れは、幅や深さによって適切な補修方法が異なります。

0.3mm未満の微細なひび割れ:樹脂注入
0.3〜1.0mmのひび割れ:Uカットシール工法
1.0mm以上の大きなひび割れ:構造補修が必要な場合も
誤った方法で補修すると、ひび割れが再発したり、内部に水分が侵入して鉄筋の錆びを促進したりする恐れがあります。

③塗料選定の専門知識が必要

コンクリートの種類や使用環境によって、適切な塗料が異なります。

ブロック塀:透湿性の高い塗料
コンクリート塀:撥水性・弾性のある塗料
床面:耐摩耗性の高い塗料
屋外:耐候性・防カビ性の高い塗料
誤った塗料を選ぶと、塗膜内部に水分が溜まり、かえって劣化を早める原因になります。

5-2.専門業者に依頼するメリットとDIYを行う場合の注意点

専門業者に依頼することで、適切な下地処理、コンクリートの状態に応じた最適な工法の選択、施工後の保証など、長期的な安心が得られます。また、失敗によるやり直しのリスクもなく、結果的にコストパフォーマンスに優れています。

どうしても小規模な範囲でDIYを行いたい場合は、ホームセンターの専門スタッフに相談し適切な塗料を選ぶ、下地処理を丁寧に行う、適切な天候(気温15〜30℃、湿度75%以下、晴天)を選んで作業するなどの注意が必要です。

ただし、やはり建物の構造に関わる部分や大規模な範囲については、安全性と耐久性の観点から専門業者への依頼を強くおすすめします。長期的な視点で考えると、最初から専門業者に依頼することが、建物を長持ちさせる最も確実で経済的な方法といえます。

6.メンテナンスをする際に大事なのは業者選び!

メンテナンスが大事とは言ってもどんな業者を選べばいいのか不安ですよね。工事で失敗しないためにもこちらの記事にて業者の良し悪しを紹介しております。

屋根リフォームの適した方法3選と業者選びの方法まで

まとめ

今回は、お家のあらゆる箇所に見られるコンクリートの劣化症状や、施工箇所ごとのおすすめ塗装方法、そして長持ちさせるための秘訣をご紹介しました。
コンクリートの風合いはおしゃれで魅力的ですが、気づかないうちに劣化が進んでいることも少なくありません。定期的に状態をチェックし、適切なメンテナンスを行うことで、美しさを長く保つことができます。
ご自宅のコンクリートの劣化が気になってきた方はぜひ信頼できる専門業者へ相談することをおすすめします。