
「そもそも、なぜ外壁塗装がはがれたのか」が気になっている方も少なくないでしょう。なかには、「はがれを放置しておいても大丈夫なのか」不安に思っている方もいるかもしれません。
ずばり、外壁塗装がはがれるのには、二つの原因があります。一つは施工不良、そしてもう一つは、経年劣化です。そして、はがれを放置すると、雨漏りを引き起こしてしまうこともあるため、早めの補修が必要となります。このあたりの内容について詳しくは、本章で紐解いてまいります。
この記事では、「外壁塗装のはがれ」について押さえておくべき情報をまとめて解説します。外壁塗装のはがれに悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. [写真で解説]外壁塗装のはがれ
そもそも、「外壁塗装のはがれ」とは、下記写真のような状態のことを言います。
【外壁塗装のはがれ】
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まずは、お住まいに生じているのが、ほんとうに「外壁塗装のはがれ」なのかを確認しましょう。自身では外壁塗装のはがれと思っていても、実は違ったということもありますので、上記写真を参考にお住まいの外壁をチェックしてみてください。
自身では、「外壁塗装のはがれか、どうかの判断がつかない」という場合は、業者に診てもらうのがオススメです。詳しくは、3-2で解説します。
2. プロが教える!外壁塗装がはがれる二つの原因
ずばり、はがれが生じる原因は二つあります。下記で詳しく解説します。
2-1. 原因①|塗装後1年以内のはがれは施工不良の可能性あり
塗装後すぐ、おおよそ1年以内ではがれが生じた場合は、施工不良が原因の可能性があります。この場合の施工不良とは、塗装業者の塗装工事における何等かの不備や不具合を意味します。
たとえば、下記のような施工不良があった場合に、外壁塗装のはがれが生じる可能性があります。
【外壁塗装のはがれにつながる施工不良の例】
・洗浄/下地処理の不足
・洗浄後の乾燥不足
・下地にあった塗料(特に下塗材)を選定できていない
・塗料メーカー規定の塗布量を守っていない ほか
施工不良によるはがれの場合、保証が受けられる可能性があります。(詳しくは、5-2で解説します)
2-2. 原因② |経年劣化でもはがれは発生する

塗装後かなり時間が経ってから、目安としては、おおよそ10年前後ではがれが生じた場合には、時間の経過によって塗膜(塗料の膜)が劣化したことが原因の可能性が高いです。
この経年劣化によるはがれは、塗装を施している外壁には、いつかは必ず生じる劣化症状です。塗装後、どのぐらいではがれが生じるかは、塗料の種類や周辺環境などによって異なります。
[参考]塗料の耐久年数が短いほど、早々にはがれが生じる可能性大
<塗料の種類別|耐久年数>
| 塗料 | 耐久年数 |
|---|---|
| アクリル | 約3~5年 |
| ウレタン | 約7~10年 |
| シリコン | 約10~13年 |
| フッ素 | 約15年~ |
| ピュアアクリル | 約15年~ |
| 無機 | 約15年~ |
塗料の耐用年数が短いほど、早々にはがれが生じる傾向にあることは間違いありません。
ただし、上記でもお伝えした通り、どのぐらいで外壁塗装にはがれが生じるかは、塗料の種類(各メーカー、各製品によっても耐久年数が異なります)や周辺環境によって異なるため、「耐用年数=外壁塗装にはがれが生じる時期」というわけではありません。場合によっては、耐久年数よりも前に、経年劣化が原因で外壁塗装がはがれることもあります。
3. 外壁塗装のはがれは早々に補修すべし
3-1. 塗装のはがれを放置すると、雨漏りにつながることも
外壁塗装にはがれが生じている場合は、早々に補修をする必要があります。なぜならば、はがれを放置すると、雨漏りにつながる可能性があるためです。
はがれが生じている状態とは、つまり、住まいを保護していた鎧がはがれている状態をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
鎧のない住まいは、簡単に雨水の浸入を許すようになります。住まいに浸入した雨水は、次第に奥へ奥へと入り込み、雨漏りを発生させ、躯体を腐食していきます。そして、最悪の場合、住まいの寿命が大きく縮んでしまうことも。
こうした最悪の事態を避けるためには、イチ早い補修が必要となります。
補修の方法については4章、費用については5章で解説します。
[補足]「外壁塗装のはがれ」は、塗装による補修が一般的
外壁塗装のはがれは、再度、塗装をすることで補修するのが一般的です。具体的には、付着力が低下した塗膜を丁寧に除去したのち、上から新たに塗装を施す工事を行います。ちなみに、塗装にかかる期間は、2週間前後が目安です。
▼詳しい塗装工事の内容や工事期間については、下記の記事を参照ください。
3-2. まずは塗装業者に診てもらおう

外壁塗装にはがれのようなものを見つけた場合は、ひとまず塗装業者に診てもらうのがオススメです。
塗装業者に診てもらえば、「本当に、外壁塗装がはがれているのか」「すぐに補修が必要なのかどうか」「補修にいくらかかるのか」などがわかるため、補修をするかどうか、補修のタイミングなどについて、より適切な判断ができるはずです。
はがれなどの外壁塗装の劣化チェックする「診断」などと呼ばれるサービスを、無料で提供している塗装業者も少なくありません。まずは、こうしたサービスを利用してみるのも一つの手です。
4. 塗装のはがれ補修方法|部分補修か塗り替えかの判断基準
はがれが一部に限られていれば部分補修、外壁の広い範囲に広がっていたり、ほかの劣化も進んでいたりすれば外壁全体の塗り替え、というのが補修方法を選ぶ基本的な考え方です。
3-1の補足でお伝えした通り、外壁塗装のはがれは塗装で補修するのが一般的です。この章では、どこまでの範囲を塗り直すべきかの判断基準と、補修の流れ、DIYで対応できる範囲を解説します。
4-1. 部分補修で済むケース・塗り替えが必要なケース
はがれの範囲だけでなく、前回の塗装からの年数やほかの劣化症状もあわせて見ることが、補修方法を選ぶポイントです。
| 判断のポイント | 部分補修で済む可能性があるケース | 全面の塗り替えを検討すべきケース |
|---|---|---|
| はがれの範囲 | 手のひら程度など、ごく一部に限られている | 複数の面や広い範囲に広がっている |
| 前回の塗装からの年数 | 塗装後、まだ年数が浅い | 前回の塗装から10年前後以上経っている |
| ほかの劣化症状 | チョーキング(外壁を触ると白い粉が付く状態)やひび割れがほとんどない | チョーキングやひび割れ、シーリング(外壁の継ぎ目を埋めるゴム状の材料)の劣化も見られる |
| 外壁材そのものの状態 | 外壁材に反り・浮き・欠けなどの傷みがない | 外壁材の傷みや、内部への雨水の浸入が疑われる |
部分補修は費用を抑えやすい一方で、補修した箇所だけ色味やツヤが周囲と異なり、補修跡が目立ちやすいという弱点があります。
また、経年劣化によるはがれの場合、はがれが一部だけでも、周囲の塗膜も同じように劣化が進んでいると考えられます。部分補修をしても、しばらくして別の箇所がはがれてくることもあるため、前回の塗装から年数が経っている場合は、全面の塗り替えを検討した方が、結果的に費用を抑えられることも少なくありません。
なお、外壁材そのものが傷んでいる場合は、塗装だけでは直らず、外壁材の補修や張り替えが必要になることもあります。外壁材ごとの補修方法は、下記の記事を参照ください。
▼モルタル外壁の場合
▼サイディング外壁の場合
4-2. 外壁塗装のはがれを補修する流れ
はがれの補修は「傷んだ塗膜を取り除く→下地を整える→塗り直す」の順に進みます。中でも、仕上がりと持ちを大きく左右するのが、塗る前の下地処理です。
| 工程 | 主な作業内容 |
|---|---|
| ① 高圧洗浄 | 外壁の汚れやコケ、浮いている塗膜を、高圧の水で洗い流します。 |
| ② ケレン(古い塗膜の除去) | はがれかけている塗膜を、ヘラやワイヤーブラシなどで取り除きます。 |
| ③ 下地補修 | ひび割れを埋めたり、塗膜を削った部分の段差をならしたりして、塗料がしっかり密着する状態に整えます。 |
| ④ 下塗り | 外壁材と仕上げの塗料を密着させるための下塗材を塗ります。 |
| ⑤ 中塗り・上塗り | 仕上げの塗料を2回塗り重ね、塗料メーカーが定める厚みの塗膜をつくります。 |
2-1でお伝えした施工不良の例(洗浄や下地処理の不足、乾燥不足、下地に合わない下塗材の選定など)は、いずれもこの工程の中で起こるものです。見積もりを取る際は、ケレンや下地補修が工程に含まれているかを確認しておくと安心です。
4-3. DIYで補修できる範囲と限界
DIYで対応できるのは、地面に立ったまま手が届く1階部分の、ごく小さな範囲のはがれに限られます。
DIYで補修する場合も、基本的な流れは4-2と同じです。浮いている塗膜をスクレーパー(塗膜をはがすヘラ状の道具)などで取り除き、汚れを落として十分に乾かしてから、下塗り・上塗りの順に塗り重ねます。
ただし、DIYには下記のような限界があります。
| DIYの限界 | 理由 |
|---|---|
| 高い場所の作業はできない | 2階部分など、はしごや脚立が必要な場所の作業は、転落の危険があるため避けましょう。 |
| 補修跡が目立ちやすい | 既存の塗装と色味やツヤを合わせるのが難しく、補修した箇所だけ浮いて見えることがあります。 |
| はがれの原因まではわからない | 雨水の浸入や下地の傷みが原因の場合、上から塗るだけでは、塗膜の下で劣化が進んでしまうこともあります。 |
| 保証が受けられなくなることも | 施工不良が疑われる場合、自分で手を加えると、保証の対象外になる可能性があります。まずは施工した塗装業者に相談しましょう(5-3で解説)。 |
はがれの範囲が広い場合や、はがれの原因がわからない場合は、3-2でお伝えした通り、まずは塗装業者に診てもらうのがオススメです。
5. 気になるお金のこと|外壁塗装のはがれ補修にかかる費用相場
5-1. 全面塗り替えで直す場合の費用相場は80~150万円程

はがれが外壁の広い範囲に及んでいる場合や、経年劣化で外壁全体の塗り替えが必要な場合の費用は、80~150万円程(延床30~40坪前後の2階建て住宅/塗り面積およそ120~180㎡)が目安です。はがれが一部に限られていれば、部分補修で費用を抑えられることもあります(5-2で解説)。
ただし、劣化の状態や住まいの大きさ、補修に使用する材料(塗料)によって変動するため、実際にかかる費用が上記相場と大きく異なることも少なくありません。
3-2でもお伝えした通り、塗装業者に診てもらうと、補修にいくらかかるのか(見積書)も提示してもらえます。そのため、より正確な補修費用が知りたい場合も、塗装業者に診てもらうのがオススメです。
5-2. はがれが一部なら、部分補修で費用を抑えられることも
はがれが1階の手の届く範囲の一部に限られていれば、足場を組まずに補修できる場合があり、全面の塗り替えよりも費用を大きく抑えられる可能性があります。
ただし、部分補修の費用は、はがれの範囲や下地の傷み具合、補修に使う塗料によって大きく変わるため、一律の相場を示すのは難しいのが実情です。
一方で、2階部分など高い場所のはがれは、たとえ範囲が小さくても足場が必要になります。足場の費用は、二階建て住宅で総額15万~25万円程度が目安です(建物の大きさや形状、地域によって変動します)。
足場を組むのであれば、部分補修だけで済ませるよりも、全面の塗り替えを同時に行った方が、将来もう一度足場代を支払わずに済むという考え方もあります。見積もりを取る際は、「部分補修の場合」と「全面の塗り替えの場合」の両方で出してもらうと、比較しやすくなります。
▼足場の費用について詳しくは、下記の記事を参照ください。
5-3. まずは保証内容をチェック!無料補修できる場合も

2-1でもお伝えした通り、施工不良が原因で外壁塗装がはがれた場合、保証が受けられる可能性があります。保証が受けられれば、無料で補修ができることもあります。
そこでまずは、保証内容や期間を確認しましょう。
※外壁塗装工事には、法的に保証の義務があるわけではないので、そもそも保証がついていなかったという場合もあります。
はじめに確認したいのは、「工事保証」です。塗装業者による保証で、塗装工事に瑕疵があった場合に保証が受けられる内容のものが一般的ですが、保証内容や保証期間は各塗装業者によって異なります。
その他、場合によっては、製品保証(塗料などの製品に瑕疵があった場合に、塗料メーカーが塗料代を上限額として保証)が受けられることもありますので、製品保証についてもチェックしておくとよいでしょう。また、リフォーム瑕疵保険に加入していないかも、あわせて確認しましょう。
▼保証やリフォーム瑕疵保険について詳しくは、下記記事を参照ください。
まとめ
外壁塗装のはがれについて、押さえておくべきことをまとめて解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
まずは、生じているのが本当に「外壁塗装のはがれ」なのかをチェックしてみましょう。自身での判断が難しい場合は、塗装業者に診てもらうのがオススメです。そして、外壁塗装のはがれが生じている場合は、早々の補修をオススメします。
ご紹介した情報を参考に、ぜひ、外壁塗装のはがれに関するお悩みを解消してください。






