【結論|ウレタン防水は安価で汎用性が高く、住宅・マンションの防水工事で最も選ばれている工法です】

「ウレタン防水って何?」「費用はどれくらいかかるの?」とお悩みの方に向けて、この記事では基礎知識から工法の選び方、価格相場、業者選びのポイントまでを分かりやすく解説します。

この記事で分かること

◯ ウレタン防水の仕組みとメリット・デメリット
◯ 密着工法と通気緩衝工法の違いと選び方
◯ 費用相場と施工工程
◯ 劣化サインの見分け方と補修タイミング
◯ 悪徳業者を避けるための業者選びのポイント

この記事が役立つ方

◯ ウレタン防水を初めて検討している方
◯ 屋上・ベランダ・陸屋根の防水工事を考えている方
◯ 費用相場や工事内容を事前に把握しておきたい方
◯ 信頼できる業者の選び方を知りたい方

1. ウレタン防水とは何か基礎知識を解説

1-1. ウレタン防水の仕組みとメリット・デメリット

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画像参考:http://www.nuk-pu.jp/result/

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねることで、継ぎ目のない防水層を形成し、雨水の浸入を防ぐ防水工事です。

マンションの屋上や陸屋根、ベランダなど、平らな面に幅広く採用されています。防水工事の中では施工が比較的簡単で、費用も安価に抑えやすいことから、改修工事で最も主流な工法のひとつです。

5~6年ごとにトップコートを再塗装することで、約10年程度の防水効果を維持できます。

ウレタン防水のメリット

◯ 防水工事の中でも費用が安価
◯ 液体状のため、どんな形状の場所にも施工できる
◯ 既存の防水材の上から重ね塗りが可能
◯ 施工実績が豊富で、対応できる業者が多い

ウレタン防水のデメリット

◯ 人の手で塗るため、均一な膜厚にしにくい
・専用機器を使用することで最小限に抑えることが可能
◯ 乾燥に時間がかかるため、その間は歩行不可
・マンションの共用廊下など通行が必要な場所には不向き
◯ デザイン性は高くない

性能面での大きな短所はなく、迷ったらウレタン防水を選ぶという方も多い、信頼性の高い工法です。

1-2. ウレタン防水が適した場所・用途

ウレタン防水は液体状の防水塗料を塗布する工法のため、さまざまな形状の場所に対応できます。

適した場所の例

◯ マンション・アパートの屋上
◯ 戸建て住宅の陸屋根・ルーフバルコニー
◯ ベランダ・バルコニー
◯ 築年数が古い建物の改修工事

特に、複雑な形状の屋根や、狭い箇所の防水工事にも対応しやすい点が特徴です。面積が広い屋上から狭いベランダまで、幅広い現場で採用されています。

2. ウレタン防水の工法の種類と選び方

ウレタン防水には複数の工法がありますが、特に採用頻度が高い2種類を解説します。

2-1. 密着工法とはどんな工法か

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画像参考:http://www.dr-roof.jp/wpguide/intro/lineup.html

密着工法とは、下地に直接ウレタン防水材を塗布する工法です。

工程がシンプルで工事費用を安く抑えやすいため、ベランダやバルコニーなど比較的狭い箇所の防水工事に向いています。

ただし、下地に水分が残っていると、防水層が膨れてしまうリスクがあります。下地が十分に乾燥した状態であることが、施工の前提条件となります。

密着工法が向いているケース

◯ ベランダ・バルコニーなど狭い箇所
◯ 下地の状態が良好で水分が少ない場所
◯ 工事費用をできるだけ抑えたい場合

2-2. 通気緩衝工法とはどんな工法か

通気緩衝工法とは、下地に通気緩衝シートを貼り付けた上でウレタン防水材を塗布し、脱気筒を設置する工法です。

シートの溝と脱気筒によって、下地に含まれた水分や湿気を逃がす構造になっています。そのため、雨漏りなど水分を含んだ下地であっても、防水層の膨れを防ぎながら施工できます。

密着工法より初期費用はかかりますが、下地の状態が悪い場合や長年放置された箇所には特に有効な工法です。

通気緩衝工法が向いているケース

◯ 雨漏りが発生している、または発生していた箇所
◯ 築年数が古い建物
◯ 面積が広いマンションの屋上・陸屋根
◯ 下地に水分・湿気が多い箇所

2-3. どちらの工法を選ぶべきか判断基準

2つの工法の違いを表でまとめます。

比較項目密着工法通気緩衝工法
費用安価やや高め
適した場所ベランダ・狭小箇所屋上・陸屋根・広い面積
下地の状態乾燥した良好な下地水分・湿気を含む下地
膨れのリスクやや高い低い
工程の複雑さシンプルやや複雑

判断に迷う場合は、業者に下地の状態を診断してもらったうえで、適切な工法を提案してもらうことをおすすめします。

3. ウレタン防水の価格相場と工程を解説

3-1. 密着工法・通気緩衝工法の費用相場

ウレタン防水の費用は、工事費・人件費を含めて以下が目安です。

工法費用相場(㎡あたり)
密着工法約3,800~7,000円/㎡
通気緩衝工法約4,000~8,000円/㎡

費用は、使用する塗料のグレードや、施工場所(屋上かベランダか)、防水工事を行う面積によっても変わります。

また、雨漏りや大きなひび割れ、既存防水材の撤去が必要な場合は、修繕費・撤去費等が別途かかる可能性があります。事前に見積書で内訳を確認しておくことが大切です。

3-2. ウレタン防水の施工工程(手順)

ウレタン防水の標準的な施工工程は以下の通りです。

【密着工法の工程】

  1. 高圧洗浄・下地補修
    ・汚れを高圧洗浄で除去し、ひび割れや目地を補修します
    ・平滑な状態に下地を調整します
  2. プライマー(下塗り材)塗布
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    画像参考:株式会社プロタイムズリビング
    ・ウレタン防水材が下地に吸収されるのを防ぎ、接着性を高めます
  3. ウレタン防水材(中塗り)塗布
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    画像参考:株式会社プロタイムズリビング
    ・液体状の防水塗料を塗布し、硬化後に再度塗布して所定の厚みを確保します
  4. トップコート塗布
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    画像参考:株式会社プロタイムズリビング
    ・防水層を紫外線や熱から保護するための仕上げ材を塗布します
    ・トップコートは防水材ではなく、防水層を守る保護層の役割を担います

【通気緩衝工法の追加工程】

プライマー塗布後に、以下の工程が加わります。

◯ 専用ボンドを使用して通気緩衝シートを貼り付ける
◯ 湿気の逃げ道となる脱気筒を設置する

その後、ウレタン防水材の塗布・トップコート塗布へと進みます。

防水工事とは?費用相場・必要な時期・業者選びまで徹底解説

4. ウレタン防水を長持ちさせるメンテナンス方法

4-1. ルーフドレン(排水溝)の定期清掃

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画像参考:http://www.smileyou-bosui.com/other/index_15.html

防水工事を施した屋根で受けた雨水は、すべてルーフドレン(排水溝)に流れます。

ルーフドレンに落ち葉やゴミ、土ぼこりが詰まると、雨水が流れずに水がたまる箇所が生じ、そこから防水層の劣化が進む原因になります。

屋上や陸屋根に出入りできる方は、定期的に飛んできた落ち葉やビニール・ゴミ・土ぼこりなどを撤去するようにしましょう。

また、ルーフドレンにはストレーナーというカバーが取り付けられています。このカバーを外して、ドレン内部も合わせて清掃することが大切です。

4-2. トップコートの塗り替えタイミング

トップコートは、紫外線や熱から防水層を守る役割を担っています。

トップコートが劣化して剥がれると、防水層が紫外線・熱の影響を直接受けるようになります。ウレタン防水の場合、防水層が黄色く変色・硬化し、ひび割れの原因になります。

基本的には5年を目安にトップコートを塗り替えることが推奨されています。

トップコートの中には、フッ素系など高耐候性のものや、遮熱効果を持つものもあります。通常のトップコートより費用はかかりますが、塗り替えの回数削減や遮熱効果による光熱費削減など、長い目で見るとお得になる場合もあります。

お家を何年持たせたいか、夏場の2階が暑いといった問題がないかを洗い出し、業者に相談するとよいでしょう。

5. ウレタン防水の補修が必要なサインとは

5-1. 劣化症状のチェックリスト

ウレタン防水は、施工から年数が経つと以下のような劣化症状が現れます。

1つでも当てはまる項目があれば、補修を検討するタイミングです。

【緊急性は低いが要注意のサイン】

◯ 表面が色あせている
◯ ひび割れが発生している
◯ ルーフドレン(排水溝)の周りに苔がたまっている
◯ 雨上がりに特定の部分に水たまりができる
◯ コケや藻が発生している

【早急に業者へ依頼すべきサイン】

◯ 室内に雨漏りが発生している
◯ 防水層が膨れている
◯ ルーフドレン(排水溝)が詰まっている

防水層が膨れている場合、むやみに触ったり抜いたりすることで防水層を傷めるリスクがあります。気になる症状が見られたら、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

5-2. 補修のサインを見つけたときの対処法

前回の防水工事から約10年前後が、防水層の塗り替えを依頼する目安です。

ベランダやバルコニーなど、目視で確認しやすい箇所は定期的にチェックしましょう。

直接目視できない陸屋根などの場合は、近くの高い建物から望遠鏡で確認するか、防水工事を行ってから5~10年の間に業者による診断を依頼することをおすすめします。

望遠鏡で劣化の状態が確認できた場合、実際に近くで見るとより深刻な状態であることも多いため、できる限り早めに業者へ確認を依頼しましょう。

6. ウレタン防水の業者選びで失敗しないポイント

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ウレタン防水はメリットが多く、施工できる業者も多い工法です。その分、専門知識が浅い業者や悪徳業者も存在するため、業者選びは慎重に行うことが大切です。

本来は2~3回ウレタン防水を塗り重ねて所定の膜厚を確保しますが、完成後に施工回数を確認することは難しいため、信頼できる業者を選ぶことがとても重要です。

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6-1. 見積書を3社以上で比較する

業者によって使用する材料やサービス内容・金額はさまざまです。リフォーム店や工務店など、防水工事を行う業者を3社程度から見積りを取り、比較することで適切な工事をしてくれる業者を見極めることができます。

見積書を比較する際に確認したいポイントは以下の通りです。

◯ 金額だけでなく、工事内容の内訳が明記されているか
・追加費用が発生する条件が明確かどうかも確認しましょう
◯ 使用する塗料の材料名・グレード・特徴が記載されているか
◯ 塗布面積の根拠が示されているか
・会社によって測り方や塗布面積が多少異なります
・自社の面積より著しく狭い数値は要注意です

大切なのは、分からない点・曖昧な点をどんどん質問することです。専門知識がある優良業者であれば、経験や知識を活かして分かりやすく説明してくれます。反対に、詳細を教えようとしない・説明が曖昧な業者は避けた方が無難です。

6-2. 施工実績と工事保証を確認する

業者のホームページを検索し、ウレタン防水工事をどれくらい手がけてきたのか、自分の要望に近い施工実績があるかを確認しましょう。

塗装業者の中には幅広い工事を手がけているものの、防水工事の経験が少ない業者もあります。会社の創業年月・沿革・評判なども合わせて確認しておくと安心です。

また、工事後の保証内容についても事前に確認しておきましょう。

◯ 保証期間は何年か
◯ 保証期間の根拠(なぜその期間なのか)
◯ 保証書などの書面で発行してもらえるか

口頭だけの約束では、後になって対処してもらえないといったトラブルになりかねません。保証内容は必ず書面で確認しておきましょう。

まとめ

この記事では、ウレタン防水の基礎知識から工法の選び方・価格相場・メンテナンス・業者選びまでを解説しました。

ウレタン防水のポイントまとめ

◯ 液体状のウレタン樹脂を複数回塗ることで防水層を形成し、雨水の浸入を防ぐ工法
◯ 安価で汎用性が高く、どんな形状の場所にも施工できる
◯ 密着工法(狭い箇所向け)と通気緩衝工法(雨漏りや広い屋上向け)の2種類が主流
◯ 費用相場は密着工法で約3,800~7,000円/㎡、通気緩衝工法はやや高め
◯ 5年を目安にトップコートを塗り替え、定期的なメンテナンスで長持ちさせる
◯ 前回施工から約10年前後が防水層の塗り替えの目安
◯ 見積書の比較・施工実績・工事保証の確認で、信頼できる業者を選ぶ

気になる劣化症状がある方や、そろそろメンテナンスを検討している方は、まずは専門業者への相談から始めてみましょう。