
【結論|フローリング補修は、浅い傷・小さな凹み・部分的な剥がれであれば自分でできる範囲が広く、広範囲の劣化や下地まで及ぶダメージは業者依頼が安心です】
フローリングは、家具の引きずりや物の落下、ペットの爪、日焼けなど、日常生活のさまざまな原因で傷や凹みが発生します。「業者を呼ぶほどでもないけれど、このまま放置するのも気になる」という細かい劣化は、市販の補修アイテムを使えば自分でも十分対応できます。
この記事では、フローリングの劣化症状ごとに、自分でできる補修方法と必要な道具、費用の目安、業者に依頼すべきタイミングの判断基準まで、塗料メーカーの視点を交えて整理しました。
この記事でわかること
◯ 自分でできる補修と業者に依頼すべき症状の判断基準
◯ 傷・凹み・剥がれ・日焼けなど症状別のDIY補修手順と道具
◯ DIY費用の相場と業者依頼時の料金目安、業者選びのポイント
この記事が役立つ方
◯ フローリングの傷や凹みを自分で直したい方
◯ 補修に必要な道具や費用の目安を知りたい方
◯ 広範囲の劣化が気になっており、業者依頼も検討している方
目次
1. フローリング補修は自分でできる?判断基準
フローリング補修に取りかかる前にまず確認したいのが、「自分でできる範囲なのか、業者に依頼すべきなのか」という見極めです。劣化の度合いを正しく把握することで、不要な手戻りや余計な費用を防げます。

1-1. 自分で補修できる症状の目安
表面の塗装層やシートに留まる軽度の劣化であれば、市販の補修アイテムで自分で対応できます。具体的には次のような症状です。
◯ 表面に浅くついた引っかき傷やすり傷
◯ 直径数mm〜1cm程度の小さな凹みやへこみ
◯ 部分的なシート床の浮きや角の剥がれ
◯ 日焼けによる軽度の色あせ
◯ 細かい目立ち傷や色抜け
これらは塗りタイプ・パテ・補修テープ・シートなど、ホームセンターや100均で揃う道具で対処できます。作業時間も10分〜数時間程度で済むケースが多く、費用も数百円〜数千円に収まります。
1-2. 業者に依頼すべき症状の目安
一方、フローリングの内部や下地まで及ぶ劣化、広範囲のダメージは、自分での対応が難しく、無理に手を入れるとかえって状態を悪化させることがあります。
◯ 床全体に広がるカビや変色
◯ 踏むとふかふかと沈む箇所(下地の腐食疑い)
◯ 床鳴り、きしみが広範囲に発生している
◯ 水漏れや結露で素材が膨らんでいる
◯ えぐれが深く、フローリング材ごと交換が必要なケース
こうした症状は、フローリングそのものの張り替えや下地の補修工事が必要になります。専門の塗装業者やリフォーム業者へ依頼するほうが、結果的に費用も時間も抑えられるケースが多いです。
1-3. 症状別の判断早見表
症状ごとにDIYで対応できるか業者依頼が適切かを整理しました。
| 症状 | DIYでの対応可否 | 主な対処 |
|---|---|---|
| 浅い引っかき傷 | 可能 | クレヨン・マニキュアタイプの補修材 |
| 小さな凹み | 可能 | パテ・アイロンを使った蒸らし |
| 部分的なシート剥がれ | 可能 | 補修テープ・接着剤 |
| 日焼け・色あせ | 可能(範囲が狭ければ) | 補修ペン・ワックス・塗料 |
| 深いえぐれ傷 | 難しい | 業者による部分張り替え |
| 床鳴り・沈み | 不可 | 業者による下地補修・張り替え |
| 広範囲のカビ・変色 | 不可 | 業者による張り替え・塗り替え |
| 水漏れによる膨らみ | 不可 | 業者による交換工事 |
DIYで対応するか判断に迷ったときは、目立たない場所で一度試してみるのも一つの方法です。仕上がりに納得できない、範囲が想定より広いと感じた段階で、業者への相談に切り替えるとよいでしょう。
2. フローリングの劣化症状と発生原因
適切な補修方法を選ぶには、症状の原因を理解しておくことが大切です。同じ「傷」でも、家具の引きずり跡とペットの爪跡では、補修に向いている道具やコツが異なります。
2-1. 家具の引きずりやペットの爪による傷

テーブルや椅子の脚を引きずったときにつく細長い傷や、ペットの爪による浅い引っかき傷は、フローリングの劣化症状のなかでもっとも多いタイプです。住宅でペットを飼っている場合は、リビングやキッチン、廊下など歩行ルート全体に細かな傷が広がりやすくなります。
これらは表面の塗装層に留まる傷であることが多く、クレヨンタイプやマニキュアタイプの補修材で十分対応できます。フローリング素材のカラーに合わせて色を選ぶのが、自然な仕上がりに近づけるコツです。
2-2. 物を落としてできた凹み



キッチンで調理器具を落とした、リビングのテーブル下で物が落下した、といった衝撃で生じる凹みは、表面の塗装層だけでなく木材自体が圧縮されているケースが多くなります。
木質系フローリングは、水分を吸収すると繊維が膨らむ性質があります。これを利用して、濡れタオルとアイロンで蒸らすことで、浅い凹みなら戻すことができます。深い凹みや木材が割れてしまった場合は、パテで埋めて色を合わせる対処が必要です。
2-3. 水濡れや経年劣化による剥がれ・はがれ


キッチンや洗面所など水回り周辺は、長年の使用でシート床や塗装層が剥がれやすくなります。部分的な剥がれであれば、補修テープや専用の接着剤で貼り直せます。
一方、シート床全体が浮き上がっている、めくれが広範囲に及んでいる場合は、下地のベニヤ板や合板が湿気で傷んでいる可能性があります。表面だけ貼り直しても再発するため、原因の特定から進めるのが安全です。
2-4. 日焼け・色あせによる変色


窓際や直射日光が当たる場所は、年数が経つにつれて日焼けや色あせが進みます。家具を移動したときに、その下だけ色が違うのを発見した、というケースもよくあります。
軽度の色あせなら、補修ペンや専用ワックス、家具用カラー塗料で目立たなくできます。広範囲に及んでいる場合は、ワックスでの全体メンテナンスや、塗料を使った床の塗り替えという選択肢も検討してください。
3. 自分でできるフローリング補修の方法と道具
症状ごとに適した補修方法と道具を、具体的な手順とともに整理します。どのタイプも初めての方でも取り組めるよう、市販品で揃う最適な組み合わせを紹介します。
3-1. 小さな傷の補修方法



浅い引っかき傷やすり傷には、クレヨンタイプ・マニキュアタイプ・補修ペンが向いています。それぞれの特徴は次の通りです。
| タイプ | 特徴 | 向いている傷 |
|---|---|---|
| クレヨンタイプ | こすって塗り込むだけで使え、色も豊富 | 細い線状の引っかき傷 |
| マニキュアタイプ | 液体を塗って自然に乾かす、仕上がりにツヤが出る | 浅い傷全般、色ムラの補修 |
| 補修ペン | ペン感覚で使える、初心者向け | 細い傷、木目の描き込み |
作業の流れは以下のとおりです。
②床のカラーに近い色を選び、補修材を塗布する
③はみ出した部分を拭き取り、自然に乾かす
④仕上がりを確認し、必要に応じて色を重ねる
1色で合わない場合は、複数色を重ねるとより自然に仕上がります。色は購入前にフローリングの目立たない場所で試し塗りすると失敗しにくくなります。
3-2. 凹みの補修方法



浅い凹みは「アイロンで蒸らす方法」、深い凹みは「パテで埋める方法」が基本です。
アイロンを使った方法

②上に濡れたタオルを重ねる
③中温に設定したアイロンを数秒押し当てる
④タオルを外し、戻り具合を確認する
パテを使った方法
②パテを少量ずつ凹みに塗り込み、平らにならす
③乾燥させた後、サンドペーパーで表面を整える
④フローリングの色に合わせて補修ペンや塗料で着色する
パテは初めての方でも扱いやすい木工用パテがおすすめです。ホームセンターのほか100均でも入手できます。広範囲の凹みには、コテ付きの本格的な補修キットを使うと仕上がりが安定します。
3-3. 剥がれ・はがれの補修方法
シート床や合板フローリングの剥がれには、補修テープ・専用接着剤・部分シートが使えます。
◯ 補修テープ:細長い剥がれや角の浮きに最適。木目調のカラーが揃っており、貼るだけで対応できる
◯ 接着剤:浮いている部分を再度密着させるときに使用。瞬間接着剤よりも木工用ボンドや専用接着剤が安全
◯ 部分シート:広めの剥がれに有効。フローリング全体を張り替えなくても、シートタイプなら部分張り替えが容易
剥がれの補修では、貼り付け前に下地の汚れや水分をしっかり拭き取ることが重要です。下地が湿ったまま貼ると、再び浮く原因になります。
3-4. 日焼けや色あせの補修方法
軽度の日焼け・色あせには、補修ペンやワックスで部分的に着色する方法が向いています。広範囲の色あせや、家具を動かしたあとに色ムラが目立つ場合は、塗料を使った塗り替えという選択肢もあります。
◯ 補修ペン・カラーマーカー:細かい色合わせに便利
◯ 着色ワックス:広範囲の色ムラを馴染ませる
◯ フロア用塗料:日焼けが進んだ広範囲を一気にリフレッシュ
フローリング用の塗料は、水性タイプを選べばにおいが少なく、屋内でも扱いやすくなります。塗り替えの際は、下地のホコリや古いワックスを十分に除去してから作業してください。
4. フローリング補修に必要な道具と費用の目安
DIY補修にかかる費用は、どの道具を選ぶかで大きく変わります。100均で揃えれば500円程度から、本格的な補修キットを揃えると3,000円〜5,000円程度が目安です。
4-1. 100均・ホームセンターで揃う補修アイテム
手軽に始めたい方には、100均やホームセンターで購入できる補修アイテムがおすすめです。
| アイテム | 目安価格 | 主な用途 |
|---|---|---|
| クレヨンタイプ補修材 | 100円〜500円 | 細い傷、引っかき傷 |
| マニキュアタイプ補修材 | 300円〜800円 | 浅い傷、色ムラ |
| 木工用パテ | 200円〜600円 | 小さな凹み |
| 補修テープ | 100円〜500円 | シート床の剥がれ |
| 補修ペン | 100円〜400円 | 細い傷、木目の描き込み |
100均アイテムは色のバリエーションが限られるため、フローリングのカラーが特殊な場合は、ホームセンターやインターネット通販で豊富な色から選ぶほうが仕上がりに近づきます。
4-2. 本格的な補修キットの選び方
えぐれや深い凹みなど、市販の単品アイテムでは対応が難しい傷には、補修キットの利用が向いています。複数色の樹脂スティックとコテがセットになったタイプは、プロが使うものに近い仕上がりが得られます。
選び方のポイントは次の3点です。
◯ 色の数:3色以上あれば、混ぜて床の色に近づけやすい
◯ 道具の充実度:コテ・ヘラ・サンドペーパー・木目ペンが揃っているか
◯ 対応する傷の種類:浅い傷向け、えぐれ向けなど、補修したい傷に合っているか
本格的なキットは3,000円〜10,000円が相場で、ホームセンターや家具用品店、インターネット通販で購入できます。一度揃えれば長く使えるため、家のフローリング全体の手入れを定期的におこなう方に向いています。
4-3. DIY補修にかかる費用相場
症状ごとのDIY補修費用の目安は以下のとおりです。
| 症状 | 必要な道具 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 浅い傷 | クレヨン・補修ペン | 500円〜1,500円 |
| 小さな凹み | パテ・サンドペーパー | 500円〜2,000円 |
| 部分剥がれ | 補修テープ・接着剤 | 500円〜2,000円 |
| 日焼け補修 | ワックス・塗料 | 1,000円〜3,000円 |
| 本格的な補修 | 補修キット一式 | 3,000円〜10,000円 |
業者依頼と比較すると、DIYは費用を大幅に抑えられる点が魅力です。ただし仕上がりや耐久性を重視するなら、後述する業者依頼の検討もあわせて進めてください。
5. フローリング補修を業者に依頼する場合
広範囲の劣化や下地まで及ぶダメージは、無理にDIYで対処すると後から再施工が必要になることがあります。業者依頼のメリット、費用相場、業者選びのポイントを整理します。


5-1. 専門業者に依頼するメリット
専門業者にフローリング補修を依頼する主なメリットは以下のとおりです。
◯ 仕上がりが自然で、補修跡が分かりにくい
◯ えぐれや広範囲の傷も対応してもらえる
◯ 下地の状態まで含めて点検してくれる
◯ 補修後のメンテナンス方法までアドバイスがもらえる
◯ 大きな負担なく短時間で作業が完了する
とくに、賃貸物件で退去時の修復が必要な場合や、フローリングの素材が無垢材・天然木など特殊な場合は、プロに任せたほうが安心です。
5-2. 業者依頼時の費用相場
フローリング補修の業者依頼にかかる費用は、傷の状態や範囲によって幅があります。一般的な相場は以下のとおりです。
| 補修内容 | 費用相場 | 作業時間の目安 |
|---|---|---|
| 小さな傷の部分補修 | 5,000円〜15,000円 | 30分〜1時間 |
| えぐれ傷の補修 | 15,000円〜30,000円 | 1時間〜2時間 |
| 広範囲の補修 | 30,000円〜100,000円 | 半日〜1日 |
| 部分張り替え | 30,000円〜80,000円 | 半日〜1日 |
| 全面張り替え(6畳) | 100,000円〜200,000円 | 1日〜数日 |
※あくまで一般的な目安であり、施工する住宅の状況や地域、業者によって異なります。実際の依頼前には複数社から見積もりを取り、内容を比較することをおすすめします。
5-3. 業者選びのポイント
業者を選ぶ際は、以下の点を確認すると安心です。
◯ フローリング補修の施工実績が豊富であるか
◯ 見積もりの内訳が明確で、追加費用の有無が事前に説明されているか
◯ 補修後の保証やアフターサービスがあるか
◯ 口コミや評判、紹介サイトでの評価がよいか
◯ 訪問時の対応や見積もり提示が丁寧であるか
1社のみで決めず、最低でも2社〜3社から見積もりを取ることで、相場感がつかめます。同じ作業内容で大きく金額が異なる場合は、内訳の違いを確認してから判断しましょう。
6. 補修後のフローリングを長持ちさせるコツ
せっかく補修したフローリングを長持ちさせるためには、補修後の日常的な手入れと予防策が欠かせません。塗料メーカーの視点から、効果的なメンテナンス方法を紹介します。


6-1. ワックスやコーティングによる保護
フローリングの表面を保護するには、ワックスやコーティング剤の塗布が効果的です。ワックスは年に1回〜2回の塗り直しが目安で、家庭でも比較的容易に施工できます。
◯ 樹脂ワックス:手軽で初心者向け、6か月〜1年で塗り直し
◯ ハードワックス:耐久性が高く、ペットや子どものいる住宅に最適
◯ UVコーティング:プロ施工で10年〜20年の耐久性、紫外線にも強い
より長期間の耐久性を求める場合は、プロによるコーティング施工も選択肢に入ります。費用は1平方メートルあたり3,000円〜6,000円が相場です。
6-2. 日常の手入れと予防策
日々のちょっとした工夫で、フローリングの劣化を大きく遅らせることができます。
◯ 家具の脚にフェルトシールやキャップを取り付ける
◯ ペットの爪は定期的に切り、滑りにくいマットを敷く
◯ 水分はすぐ拭き取り、乾拭きを基本に手入れする
◯ 直射日光が強い窓にはカーテンやUVフィルムを使用
◯ キッチン周りには専用のマットを敷き、油汚れや水濡れを防ぐ
細菌や汚れが気になる場合は、エタノールや中性洗剤での清掃が安全です。漂白剤や強い薬品はフローリングの脱色や塗膜の損傷につながるため、使用は避けてください。
6-3. 広範囲の劣化は塗り替え・張り替えも検討
傷や色あせが広範囲に広がっている場合は、部分補修ではなく床全体の塗り替えや張り替えという選択肢もあります。
◯ 塗り替え:既存のフローリングの上から専用塗料で塗装。費用は1平方メートルあたり1,500円〜3,000円が目安で、張り替えより安価
◯ 張り替え:既存のフローリングを撤去して新しい床材に交換。1部屋6畳で100,000円〜200,000円が相場
◯ 重ね張り(上張り):既存の床の上に新しい床材を重ねる工法。撤去費用が不要で工期も短い
住宅の築年数や予算、求める耐久性によって最適な方法は異なります。広範囲のリフォームを検討する際は、複数の工法を提案してくれる業者に相談すると、納得のいく選択ができます。
7. まとめ
フローリング補修は、症状に合わせた適切な道具と方法を選ぶことで、自分でも十分対応できる範囲が広い作業です。本記事の要点を整理します。
◯ 浅い傷・小さな凹み・部分剥がれ・軽度の日焼けは、市販の補修アイテムでDIY可能
◯ 広範囲のカビ・床鳴り・水漏れによる膨らみは業者依頼が安心
◯ クレヨン・マニキュア・パテ・補修テープ・補修ペンなど、症状ごとに最適な道具を使い分ける
◯ DIY費用は500円〜10,000円、業者依頼は5,000円〜200,000円が相場
◯ 補修後はワックスやコーティングによる保護で、フローリングを長持ちさせられる
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