ベランダへ行った際に、「あれっ、こんなところに。」と気になる汚れやひび割れを見つけることはありませんか?ちょっとした痛みならまだしも、塗装が剥れたりしていると「このままで大丈夫なのかな?」と不安になることはよくあることです。

そもそも、ベランダとは建物の外に張り出した屋根付きのスペースのことです。そのため、雨風にさらされることも多いため劣化もしやすい場所なのです。

新築後5年もしてくると、様々な場所で劣化現象が見受けられるようになってきて「そろそろメンテナンスをしないといけないのかしら?」と思うようになってくるのではないでしょうか。

実はベランダの劣化を放っておくと雨漏りの原因となり、建物の内部を腐食してしまうのです。
ですから、ベランダのメンテナンスは早めに行なうことが重要です。

この記事では、ベランダで起こる劣化症状や具体的なメンテナンス方法をお伝えしていきます。

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1. ベランダで起こる様々な経年劣化症状

最初に、ベランダで起こる劣化現象についてご紹介していきます。

あなたの家にも同じような現象がないかどうかぜひ確認してみてください。

1-1.塗装のひび割れ

ひび割れ

ベランダの場合、

①「壁」に発生しているひび割れか ②「床」に発生しているひび割れか の2つに大別されます。

壁のひび割れの場合は、「外壁塗装の塗膜」がひび割れており、床のひび割れの場合は、「防水層」がひび割れていることになります。どちらにおいても、その場所から水が浸入していくので雨漏りの原因になります。

1-2.塗装の膨れ、はがれ

塗膜の膨れ、剥がれ(外壁・建材不問)2

塗装の膨れやはがれに関しても、①「壁」に発生しているのか ②「床」に発生しているのかを見る必要があります。

ひび割れや下地からの水の浸入によって塗膜の内側から水蒸気が発生し、塗膜を膨れ上がらせ、更にそれが悪化するとはがれとなって現れます。膨れやはがれの現象が起きているということは下地と塗膜との間に隙間が空いているということです。水の毛細管現象により、更なる膨れやはがれを引き起こし、更には雨漏りに直結する劣化現象です。

特に床に発生している場合は、家の中に水が浸入をしてしまっている非常に危険な状態にあると言えます。早めに補修工事をおこないましょう。

1-3.ベランダ内の水たまり

ベランダ 水たまり

そもそもベランダの床は排水口へ水が流れるように緩やかな勾配がついています。水たまりがあるということは、その勾配がない、もしくは、汚れによってせき止められている可能性があります。水たまりのところの防水層にひび割れなどの劣化がなければ問題はないのですが、既に水の浸入経路となる劣化が発生している場合は要注意です。早めに補修工事をおこないましょう。

また、今は劣化症状が見られなくても水たまりがあることによって、その部分の防水層の劣化が促進され将来的にはそこから雨漏りが発生することにつながるため、水たまりがある際には注意が必要です。

1-4.ベランダ下の雨染み、雨漏り

ベランダ 雨染み

ベランダの下を見ることができる場合には、その部分に雨染みがないかを確認しましょう。ベランダ内のひび割れや剥がれなどの劣化症状が長く放置され、悪化している場合には上記のような雨染みが発生します。雨染みが発生している=雨漏りをおこしているということですので早急に補修工事をおこなってください。

1-5.その他、雨漏りに繋がるベランダの劣化箇所

専門家が見るところは以下のような箇所もチェックします。いずれの現象も、ベランダからの雨漏りに繋がる劣化箇所、原因となりますので、ぜひあなたもご自宅のベランダを一度チェックしてみましょう。

ベランダの劣化

画像出典:http://www.sna.ne.jp/waterproofing/about.html

【ベランダ劣化のチェックポイント】

・排水溝の詰まりがないか

・土間の取り合いに隙間や切れがないか

・窓のサッシ枠の取り合い、水切りとの間に隙間や切れがないか

・笠木部分と外装材などの重なり部分に隙間がないか

・笠木部分の継目や取り付け金物のシーリングが切れていないか

・ビス頭などの貫通部分のシーリングが切れていないか

2.ベランダの劣化の補修方法は塗装工事と防水工事

ベランダの劣化症状をそのままにしておくと、みすみす雨漏りを誘発してしまうことになってしまいます。

そのような劣化を防ぐためにも劣化症状に合わせた適切なメンテナンス工事をおこなうことが重要となります。

ベランダ工事においては、外壁や笠木などの補修・塗装工事と、床の防水工事の大きく2つに分けられます。

2-1. 一番大事なのは家の中への水の浸入を防ぐこと

外壁の塗装工事、床の防水工事のいずれにおいても、一番重要なのは、「水の浸入を防ぐこと」です。

ベランダは特に建物の外に張り出したスペースであるため、雨水が直接外壁に当たったり、ベランダ内に降り込んだ雨が傾斜の少ない床へ降り込んだりします。その分、劣化を放置して水の浸入の原因をそのままにしておくと、あっという間に建物を構成している木材やコンクリートを腐食させてしまうことにつながります。築年数が新しい、古いは関係ありません。ベランダ内から水が浸入しない状態をいかに長く保てるかがポイントとなります。

痛みがひどくなる前に定期的なメンテナンスをおこなうことを心がけましょう。

それでは、具体的な補修方法をご紹介していきます。

2-2. ベランダ外壁の補修・塗装工事

ベランダ外壁部分は外壁と内壁に分けられます。

ベランダの壁を構成している素材はその他の外壁部分と全く同じ仕様・塗装仕上げを使われているケースがほとんどです。壁部分だけに限定すれば、工事方法は他の外壁塗装工事を全く同じ工程を踏む形となります。

基本的な流れは、下地処理でひび割れ等を補修し、下塗り→中塗り→上塗りと塗装工事をおこないます。

→これを読めばすべてわかる!外壁のひび割れ対処トラの巻

また、笠木や窓まわりのサッシなどに隙間ができないように、シーリング材を使って水の浸入経路を塞ぎます。外壁塗装で見た目はきれいになっても、こういったちょっとした部分が後々雨漏りの原因となることがありますので、しっかりと補修をすることが重要です。

窓枠のコーキング劣化

シーリング材を使った補修自体はそこまで費用はかからないのですが、すでに劣化が進行し、ベランダの手すり壁が腐食している等の症状がある場合、壁を剥がして下地から修理しないといけなくなるケースもあるため修理費用が10万以上かかることもあります。

それでは次に、床部分の防水工事をご紹介します。

2-3. ベランダ床面の防水塗装工事

ベランダの床面の工事方法でよく使用される工法は、大きく分けて2つあります。「ウレタン塗膜防水工法」と「FRP防水工法」です。いずれにしても、塗装工事ではなく防水工事であるということが特徴です。

防水工事と言えは、「シート防水工法」や「アスファルト防水工法」などもよく紹介されますが、屋上などの広大な場所でよく使われる工法となりますので、ベランダでの防水工事ではあまり使用されないケースが多いのが実情です。

それでは、それぞれの工法について詳しくご紹介していきます。

・ウレタン塗膜防水工法

ウレタン塗膜防水工法

BEFORE

ウレタン塗膜防水工法

AFTER

画像出典:プロタイムズ福岡南店

施工が比較的簡単な工法で、新築を除いて防水工事で最も主流と言える工法です。液体状の材料を使って現場で仕上げる工法なので、複雑な形状をした場所でも継ぎ目のない完全な防水膜を施工することができます。ホームセンターなどで販売されているDIY用の防水塗料のほとんどがこのウレタン塗膜防水に関するものです。

施工の方法として、大きく分けて「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類があります。

費用はおよそ工法や劣化状況によって3,000~7,000円/㎡ほどかかります。

(1)密着工法

密着工法は、下地の上に直接、防水層になるウレタン防水塗料を塗っていく工法です。
下地と防水層が密着していることから密着工法といいます。
一般的に下地と塗料を接着させるためのプライマーを塗った後、ウレタン防水塗装を2回、最後にトップコートを塗って仕上げます。

(2)通気緩衝工法

通気緩衝工法は、下地の上に通気性能を有する通気緩衝シートを張り付け、その上にウレタン防水塗料を塗布することで防水層を形成させる工法です。
湿気等がシートの下にたまらないようにするため、脱気筒というステンレス製の筒が取り付けられるのが特徴です。
この脱気筒があるので湿気もたまりづらくフクレなどがおきにくい工法と言えます。密着工法と同様に、通気緩衝シートを貼って脱気筒を設置した後にはウレタン防水塗装を2回、最後にトップコートを塗って仕上げます。

<ウレタン塗膜防水工法で注意したいこと>

・簡単な作業ではあるものの、均一に塗り上げるのは難しい⇒ウレタン塗料をうまく均一に伸ばさないと結果として防水層の劣化が早くなってしまいます。

・工事の後では不備が分かりづらい⇒本来、防水塗装を2回塗りますがトップコート後だとそれが判断できません。

・FRP防水工法

ベランダ 塗装

BEFORE

ベランダ FRP防水工法

AFTER

画像出典:プロタイムズ八王子店

FRPはFiberglass Reinforced Plasticsの略で、直訳すると繊維強化プラスチックという意味です。

そのため、FRP防水工法とは、防水用ポリエステル樹脂と防水用ガラスマットでつくられた防水層を作ることでベランダの床面に水を浸入させないようにする工法のことを言います。ウレタン防水と比べるととても硬度が高く、防水工法でよく使われる歩行性という観点において「重歩行性:車が乗り入れられる強度」があります。(※ウレタン防水工法は軽歩行性:人間が少し歩くぐらいの強度)

工事工程としては、プライマーを塗った後、防水用ポリエステル樹脂を塗りガラスマットを貼付けます。更にその上から防水用ポリエステル樹脂を塗りこみ、空気層をなくす作業(脱泡)をおこなって防水層を作ります(1層目)。その後、同じ工程を繰り返し(2層目)2重の防水層を仕上げていきます。最後に、サンダーや研磨紙で表面をなめらかにした後にトップコートを塗ることで完成です。

費用は4,000~7,500円/㎡ほどかかります。

<FRP防水工法で注意したいこと>

・必ず2層の防水層で施工すること⇒国土交通省、メーカー、共に2層の防水層を作ることを推奨しています。業者から1層で良いとの言葉にだまされないようにしましょう。

・火気厳禁⇒FRP防水工法は非常に燃えやすい溶剤塗料を使用するので、周辺で火気は厳禁です。たばこももちろんダメです。

2-4. ベランダ防水塗装工事の費用・機能比較

工法名称ウレタン防水FRP防水
主な材料ウレタンプラスティックガラスシート
耐久年数10年10年
工事のしやすさ簡単~普通簡単
工期長い短い
水はけ普通良い
伸び率伸びる伸びない
重さ軽い普通
厚みを均一に出来るか難しい簡単
使う道具ローラー、コテローラー
歩けるか歩ける(軽歩行性)歩ける(重歩行性)
何処に向いているかバルコニーバルコニー
ベランダベランダ
屋上屋上
単価(/㎡)3,000~7,000円4,000~7,500円

防水工事には様々な種類があり、それぞれにメリットデメリットが存在します。年々、技術の進歩により様々な工法が用いられるようになってきました。基本的にはどの防水工事においても施工をしっかりとおこなえばきちんと防水機能は果たします。

現在の劣化具合や今後のメンテナンス計画、予算などを踏まえて適切な工事を選択するようにしましょう。

3.劣化症状と対処方法

ベランダ壁

ベランダ壁の症状緊急性対処法自分で対処できるか?
塗装のひび割れ○ひび割れ補修○
塗装のふくれ、はがれ○塗装を剥いで再塗装△
サッシ、水切りに隙間◎隙間をコーキング等で埋める○
笠木部分の隙間◎隙間をコーキング等で埋める○

ベランダ床

ベランダ床の症状緊急性対処法自分で対処できるか?
防水面のひび割れ○軽微ならひび割れ補修△
防水層のふくれ、はがれ◎既存防水層を剥いで防水工事△
ベランダ下の雨染み◎下地から改修△
土間の取り合いの切れ◎軽微ならひび割れ補修△
ベランダ内の水たまり△勾配不良を直す△
排水溝の詰まり△ゴミ等が原因なら掃除する◎

ここでは、ベランダに起きる劣化現象やそのメンテナンス方法を紹介しましたが、一番重要なのは繰り返しになりますが、家の中への「水の浸入を防ぐ」ことにあります。
ベランダ下部に雨染みがある、ひび割れがある、防水層が破れている場合は一度専門の業者に見て頂くことをおすすめします。

仮にご自身でDIY塗装や防水をおこなって「見た目だけ」直したとしても、根本の解決をしていなければ皆さんの大事なお住まいを長期に渡って守ることは出来ません。それよりも元の原因からしっかり直してあげることが大切です。

まとめ

いかがでしたか?この記事ではベランダの劣化や塗装による補修方法の種類、費用などについてお伝えしました。

ベランダは家の中でも屋根に次いで、雨漏りを引き起こしやすい箇所です。ベランダの雨漏りによって建物を痛めてしまわないように、定期的に適切なメンテナンスを心がけていきましょう。