
平屋の外壁の塗り替えを控えている方の中には、「どんな色にすればいいんだろう」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
平屋は2階建てと違って建物の高さが出ない分、外壁がひとつながりに見えやすく、「単色だとのっぺり地味に見えないか」「周りの家から浮いてしまわないか」と不安になりやすいのも事実です。実際に、色選びで「屋根や建具との組み合わせに迷った」「一色でまとめたら物足りなく見えた」という声も少なくありません。
そこで今回は、実際に平屋で採用されている外壁色の事例を紹介しながら、平屋ならではの色選びのポイントや、色以外に気をつけたい点まで詳しくお伝えします。読み終えるころには、ご自宅に合った外壁色の方向性が見えてくるはずです。
1. 【事例で紹介】平屋に人気の外壁色11選
まずは、実際に平屋で採用されている外壁色を11軒分ご紹介します。同じ「平屋」でも、色によって驚くほど印象が変わることが分かるはずです。単色でまとめたお家だけでなく、ツートンで表情をつけたお家まで幅広く集めました。
なお、本章では塗料メーカー「アステックペイント」の外壁用塗料で取り扱いのある色をご紹介します。気になる色が見つかった際は、色番号や近い色名を控えて、塗装業者に相談するとスムーズです。
1: シルキーホワイトを基調とした和風のお家

使用色:シルキーホワイト(アステックペイント色番号:8201)
黒瓦の大きな切妻屋根と、太陽光パネルが映える純白の壁を組み合わせた外観です。木製の玄関ドアや濃色の破風とのコントラストがきれいに際立ち、和の趣を残しながらも清潔感のある佇まいに仕上がっています。白は膨張して見えやすい色でもあるため、平屋特有の横に長いフォルムをより開放的に魅せてくれる組み合わせです。
2: 白を基調としたお家

白一色でまとめた外観です。瓦屋根と白壁のコントラストがくっきりとしていて、庭木や植栽との相性も良く、和と洋どちらのテイストの外構にもなじみやすい仕上がりになっています。白系は数ある色の中でも定番中の定番ですが、玄関まわりの建具の色合わせ次第で、同じ白でも表情が変わることが伝わる事例です。
3:ミネラルグレイを基調としたお家

使用塗料:超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR
施主様のコメント
「玄関上の屋根と破風の取り合いが難しい形状でしたが、うまく納めてもらえました」
ミネラルグレイ一色でまとめた外観です。派手さは抑えつつ、上品で落ち着いた印象に仕上がっています。グレーは汚れが目立ちにくいという実用面のメリットもあり、メンテナンス性を重視したい方にも選ばれやすい色です。
4: マウンテンブルーを基調としたお家

施主様のコメント
「今まで白い外壁だったので、思い切って濃い色にしてみました」
これまで白一色だった外壁を、思い切ってマウンテンブルーへ塗り替えた事例です。彩度を抑えた深みのある青で、木目調のウッドデッキとの相性も抜群。白だと物足りなさを感じていた方や、周囲と少し違う個性を出したい方には、こうした思い切った色選びも選択肢のひとつになりそうです。
5: レモンカラーを基調としたお家

使用塗料:超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR
施主様のコメント
「外壁の色に合わせてレモンの色で塗装しました。明るいカラーで、とても明るい気持ちになれました」
レモンカラー一色でまとめた外観です。遠目から見ても爽やかで目を引く仕上がりになっています。黄系の色は数ある外壁色の中でも珍しく、個性的な外観にしたい方にはぴったりの選択肢。同じ黄系でも彩度や明度を変えるだけで、落ち着いた印象にも、元気な印象にも調整できます。
6: やさしいグリーンを基調とした和風のお家

施主様のコメント
「古い家なので、落ち着いた色合いが良いと思い、ソフトなグリーン色を選択しました」
経年を重ねた住まいに落ち着いた色合いをという思いから、ソフトなグリーン一色でまとめた外観です。松の木のある和風の庭とグリーンの外壁がよく調和し、住まいに新しい表情を与えています。グリーン系は自然に溶け込みやすい色でありながら、白や黒に比べると採用例が少なく、個性を出しつつも浮きすぎない絶妙なバランスを狙える色でもあります。
7: チャコールとガルグレーのツートンのお家

使用色:チャコール(8079)/ガルグレー(8109)
ダークなツートンでまとめた、モダンな印象の一棟です。玄関ポーチのカーポート屋根と壁面が同系色でまとまっているため、濃色2色の組み合わせでも重たくなりすぎず、引き締まった仕上がりになっています。ダークカラー同士の組み合わせは、面積の大きい平屋でも圧迫感を出さずにシックにまとめられることが伝わる事例です。
8: クリーム×ベージュのストライプを効かせたお家

施主様のコメント
「全体的にやわらかい感じにして、少し濃い目のストライプを入れることで引き締めた。」
クリーム系のやさしい色合いをベースに、少し濃いめのベージュを縦のストライプとして玄関まわりに効かせた一棟です。単色にせず、あえて縦ラインのアクセントを加えることで、平屋特有の横長のシルエットに変化がつき、外観全体が間延びして見えない工夫がされています。
9: アイアンバーグとサンドベージュを組み合わせたお家

使用塗料:超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR
施主様のコメント
「メインを茶系のアイアンバーグ、アクセントで南面と玄関のリセス部分をサンドベージュにしました。」
茶系のアイアンバーグをメインに、南面と玄関の一段引っ込んだ部分だけサンドベージュを差し色にした一棟です。全面を1色にせず、建物の凹凸に合わせてアクセントカラーを配置することで、のっぺりとした印象を避けながら、茶系らしい落ち着きも両立させています。
10: ブルーグレーとレンガ調玄関を組み合わせたお家

使用塗料:超低汚染プラチナリファイン2000無機-IR/色:ブルーグレー系
施主様のコメント
「施工前は玄関の壁が3色のレンガだったので、その感じを活かしてベタ塗りの1色ではなく配色を考えたデザイン塗装にした事で間違えるほど素敵な玄関になりました。雨戸と戸袋の色をマウンテンブルーにする事で全体が引き締まりました。」
もともと3色のレンガ調だった玄関壁を、ベタ塗りの1色にせず配色を活かしたデザイン塗装に仕上げた一棟です。本体はブルーグレー系でまとめつつ、雨戸と戸袋にマウンテンブルーを効かせることで、全体に統一感を持たせています。もとの素材の風合いを活かす塗り方も選択肢のひとつになる好例です。
11: パイオニア(焦げ茶)でレンガ調を引き立てたお家

使用塗料:アステックペイント
施主様のコメント
「レンガ調の部分が引き立つように、パイオニア(焦げ茶)にし、落ち着いた雰囲気にしました。」
外壁の一部にあしらわれたレンガ調のデザインを引き立てるため、周囲をパイオニア(焦げ茶)でまとめた一棟です。レンガ調部分はクリア塗装で素材の質感をそのまま活かしており、色を塗り重ねるだけでなく「活かす」という選び方をしている点が特徴的です。
2. 失敗しない外壁色の選び方

事例を見て「これが良いかも」と気になる色が見つかった方も多いのではないでしょうか。ここからは、実際に自宅の色として採用する前に押さえておきたい、平屋ならではの選び方のポイントを解説します。
2-1. 単色とツートンの選び方・割合の目安
外壁の配色は、大きく分けて「単色」と「ツートン」の2パターンがあります。
単色は施工がシンプルで、まとまりのある落ち着いた印象を作りやすいのが特徴です。今回ご紹介した事例のように、色そのものの個性で魅せたい場合に向いています。
一方でツートンは、色の組み合わせ次第で外観に動きや立体感を出すことができます。一般的には7:3程度の割合で、上下または左右に塗り分けるケースが多く見られますが、平屋の場合は面積が大きい分、色の切り替えラインの位置によって印象が大きく変わるため、事前のシミュレーションがより重要になります。
どちらが正解ということはなく、「シンプルにまとめたいか」「表情をつけたいか」というご自身の好みに合わせて選ぶのがポイントです。今回ご紹介した事例でも、濃色同士を組み合わせたツートンや、ベースカラーに縦ラインのアクセントを効かせたお家、部分ごとに色を切り替えたお家など、平屋ならではのツートンの工夫が見られました。
2-2. 屋根色・付帯部とのバランス
外壁の色は、単体で決めるのではなく、屋根やサッシ・雨樋といった付帯部の色とのバランスで考えることが大切です。
屋根色とのバランス
屋根がグレー系であれば、外壁と適度な明度差をつけることで、上品で落ち着いた印象にまとまります。屋根がブラウンや黒系の場合は、外壁を暖色系でまとめると重厚感のある大人っぽい仕上がりに、逆に明るい色でまとめるとメリハリの効いた仕上がりになります。今回の事例でも、黒瓦の屋根に白壁を合わせて明るさを引き立てたお家もあれば、屋根と外壁を近い濃色でまとめて統一感を出したお家もありました。
付帯部(サッシ・雨樋)の色選びによる印象の変化
付帯部の色選びも、外壁の印象を大きく左右します。白いサッシを組み合わせれば「爽やか」「清潔感」のある印象に、黒や濃いグレーのサッシを組み合わせれば「シャープ」「引き締まった」印象に仕上がります。今回の事例でも、木部を焦げ茶色でまとめて外壁と統一感を出したお家や、あえて濃色のサッシで壁面を引き締めたお家があり、付帯部の色によって同じ外壁色でも異なる表情になることが分かります。
2-3. カラーシミュレーションで複数パターンを試す
実際の仕上がりをイメージするうえで、カラーシミュレーションはとても便利なツールです。自宅の写真に色を重ねて確認できるため、単色・ツートンそれぞれのパターンを手軽に見比べることができます。
ただし、シミュレーション上の色と実際の塗料の色は、光の当たり方によって見え方が変わることがあるため、あくまで方向性を決めるための参考として活用するのがおすすめです。
2-4. A4サイズ以上の大きな塗り板で確認する
小さな色見本だけで判断すると、実際に壁一面に塗ったときの印象と差が出やすいです。できるだけ大きなサイズの塗り板を用意し、実際の外壁と同じように屋外の太陽光のもとで確認することで、色の見え方をより正確に把握できます。
2-5. 実際に塗装した住宅を見てみる

塗り板だけでは、艶感や質感まではなかなか伝わりません。可能であれば、実際にその色で塗装された住宅を見学させてもらうのもひとつの方法です。今回ご紹介したような施工事例を見比べることも、色のイメージを膨らませる参考になります。
また、同じ色でも気象条件や時間帯で印象が変わることもあるため、様々な条件で確認することが大切です。
2-6. 業者の方と相談しながら決める
色選びに正解はありませんが、経験豊富な業者の方に相談すると、建物の形状や周辺環境に合わせた具体的なアドバイスをもらえることがあります。「この形状ならこの色が映える」「周辺の街並みにはこの色調が合う」といった提案は、一人で悩むよりもスムーズに答えにたどり着く助けになるはずです。
3. 平屋における塗装の注意点とは?
気に入った色を見つけた場合でも、実際に塗装してみるとイメージと違うことがあります。この章では「平屋だからこそ起きやすい注意点」をご紹介します。
3-1. 平屋の外壁で後悔しやすい失敗例
外壁の色選びでよく聞かれる後悔ポイントには、次のようなものがあります。
・単色でまとめたら、思っていたよりのっぺりして地味な印象になってしまった
・濃い色を選んだら、想像以上に汚れが目立つようになった
・周囲のお家から浮いた印象になってしまった
こうした失敗は、色そのものが悪いというより、「平屋という建物の特性」を考慮せずに色を決めてしまったことが原因であるケースが多く見られます。次の項目で、その特性について詳しく見ていきましょう。
3-2. 平屋は外壁面積が大きく見える
2階建てであれば、1階と2階の間に胴差しやサッシなど、視線を分散させる要素が自然と入ります。一方、平屋は屋根までの高さが低く、外壁がひとつながりの大きな面として見えやすい建物です。
そのため、単色で仕上げる場合は、色そのものの質感や、玄関まわりの建具・付帯部の色合わせによって、面の印象を引き締める工夫が必要になります。逆に言えば、この特徴を理解したうえで色や配色を選べば、平屋ならではの水平ラインの美しさを活かした、すっきりとした外観に仕上げることができます。
4. 外壁の色だけじゃない!外構・素材とのバランスにも注意
ここまで平屋における外壁の色選びについて解説してきましたが、家全体の印象は外壁の色だけで決まるわけではありません。
最後に、色以外にも意識しておきたいポイントを簡単にご紹介します。
4-1. 外構との調和
植栽やフェンス、ポーチといった外構部分も、外観の印象を大きく左右する要素です。せっかく外壁の色にこだわっても、外構の雰囲気とちぐはぐになってしまうと、全体としてまとまりのない印象になってしまうことがあります。外壁の色を決める際は、既存の植栽やこれから作りたい外構のイメージも合わせて考えてみると良いでしょう。
4-2. 外壁材・サイディング柄との組み合わせ
外壁材の種類や、サイディングの柄(レンガ調・石目調・木目調など)によっても、同じ色でも見え方の印象は変わります。今回の事例でも、レンガ調の柄と色を組み合わせることで、単色にはない奥行きが生まれていました。色だけでなく、素材や柄の選択肢も含めて検討してみると、より満足度の高い仕上がりに近づけます。
まとめ
平屋は外壁の面積が大きく見えやすい分、色選びひとつで印象が大きく変わります。単色はもちろん、ツートンやレンガ調とのデザイン塗装まで、選択肢は豊富です。「なんとなく好き」で決めるのではなく、平屋の特性や屋根・付帯部とのバランスまで考えて選ぶことが、後悔しない色選びにつながります。
色の方向性が見えてきたら、まず専門業者に現地調査・見積もりを依頼し、複数社を比較してみることをおすすめします。今回の内容を参考に、ご自宅にぴったりの一色を見つけてみてください。


