
いよいよ塗装工事も大詰め。綺麗になった我が家と対面する「足場解体」の時が迫ってきました。
しかし、工事の最終段階で「足場を外す時はうるさいの?」「庭の植木は大丈夫?」と不安を感じてはいませんか?
足場の解体は、大きな鉄材を扱うため、騒音や振動が発生しやすい作業です。しかし、事前の準備と流れを知っておけば、トラブルは未然に防ぐことができます。
この記事を見ることで、
・足場解体当日のタイムラインと騒音のピーク
・トラブルを防ぐために前日までに準備すべきチェックリスト
・万が一の天候不良時の対応と費用の考え方
が分かるようになります。
これから足場解体を迎える方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.足場解体の当日の流れとタイムライン|所要時間や騒音のピーク

足場の解体は、組み立て時よりもスピーディーに進みますが、その分、効率的かつ安全な作業が求められます。
標準的なスケジュールと作業内容を把握しておきましょう。
1-1.一般的なスケジュールと所要時間
足場解体の作業は、通常朝の8時から9時頃に開始されます 。
一般的な2階建て住宅(約30坪)の場合、作業員2〜4名で行えば、所要時間はおよそ3〜6時間(半日〜1日)が目安です。
ただし、敷地が狭くトラックが横付けできない場合や、部材の搬出距離が長い場合は時間がかかり、夕方まで及ぶこともあります。
基本的には夕方より前には完了し、清掃まで終わるケースがほとんどです 。
1-2.騒音のピークと作業手順
解体作業は、「養生シートの撤去」から始まり、最上段から順に手渡しで部材を下ろしていきます。
最も騒音が大きくなるのは、金属製の部材(くさび等)をハンマーで叩いて外す時と、解体した部材をトラックの荷台に積み込む時です。
金属同士がぶつかる「カシャン、カシャン」という高い音や振動が発生するため、午前中から昼過ぎにかけてが騒音のピークとなります。近隣への配慮が必要な時間帯と言えます。
1-3.施主の立ち会いと雨天時の判断
基本的に、作業中の常時立ち会いは不要です。ただし、朝の作業開始時に「移動してほしい物はないか」を確認したり、作業終了時に「外壁に傷がないか」「清掃は行き届いているか」を職人と一緒に確認したりすることは推奨されます。
また、雨天時の判断ですが、小雨程度であれば滑落防止措置をとった上で決行されることがありますが、強風や大雨の場合は労働安全衛生規則に基づき、安全最優先で中止・順延となります。
2.前日までの準備チェックリスト|車・洗濯物・ベランダ・植栽

足場解体当日は、職人が敷地内を頻繁に行き来し、大きな部材を運び出します。
スムーズな作業と所有物の破損を防ぐために、施主様ご自身で前日までに整えておくべき準備があります。
2-1.車両の移動と駐車スペースの確保

解体した足場部材を積み込むため、トラック(2トン〜4トントラック)を敷地の前や駐車場に停める必要があります。
そのため、ご自宅の駐車場スペースを空けておく必要があるケースが多いです。また、搬出経路に自家用車があると、万が一の落下物や接触事故のリスクが高まります。
前日の夜か当日の朝までに、車を離れた場所へ移動させる必要があるか、塗装会社の担当者に必ず確認しておきましょう。
2-2.洗濯物とベランダ・植栽の保護

解体作業中は、埃(ほこり)が舞う可能性があるため、洗濯物は室内に干すのが基本です。
また、ベランダに置いてあるサンダルや物干し竿、ガーデニング用品などは、作業の妨げになったり、足場材が当たって破損したりする恐れがあります。これらは事前に室内へ移動させてください。
庭の植木鉢なども、落下物のリスクがある足場の真下からは移動させ、動かせない庭木にはシートで養生をするなどの対策が必要です。
2-3.ペット・子どもへの配慮と近隣挨拶
作業中は大きな音が鳴り響くため、音に敏感なペットや小さなお子様はストレスを感じる可能性があります。
当日はできるだけ静かな部屋で過ごさせるか、外出するなどの対策を検討してください。
また、ペットが庭に出ないよう注意が必要です。
近隣の方へは、塗装会社からも挨拶を行いますが、施主様からも「明日は足場の解体で少し音が大きくなります」と一言挨拶をしておくだけで、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます 。
2-4.足場解体|事前準備チェックリスト
当日慌てないように、以下のようなリストを活用して準備を進めてください。

3.足場の解体でよくあるトラブルと回避策

「終わりよければすべてよし」と言いますが、解体作業は最も気が緩みやすく、トラブルが起きやすいタイミングでもあります。
よくある事例を知っておくことで、未然に防ぐことができます。
3-1.落下物や飛散による破損トラブル
最も多いのが、解体中の部材を手元から滑らせてしまい、カーポートの屋根、雨樋(あまどい)、植木鉢、あるいは施主様の車を傷つけてしまう事故です。
これを防ぐには、前述の通り「動かせるものは動かす」ことが鉄則です。
動かせないカーポートや室外機については、塗装会社に依頼して、厚手の養生シートやコンパネ(木の板)で保護してもらうよう事前に相談しましょう。
優良な塗装会社であれば、こうした養生を徹底しています。
3-2.騒音・振動による近隣クレーム
解体時の金属音(ハンマー音や部材がぶつかる音)は、想像以上に響きます。
これが原因で、近隣の方から「うるさい」と苦情が来ることがありますが、防音シートを使用しても音を完全に消すことは難しいため、やはり「事前の周知」が最大の防御策です。
作業日時が決まったら、早めに両隣や裏のお宅へ知らせておくことで、相手の心象は大きく変わります。
3-3.日程延期による生活スケジュールの乱れと事前対策
天候や現場の状況により、予定していた解体日がずれ込み、生活リズムが崩れてしまうことも「よくあるトラブル」の一つです。
もし解体が延期になると、これらの不便な期間も延長され、来客予定や車の移動計画にも狂いが生じてしまいます。
こうしたストレスを防ぐためには、工期ギリギリの予定を組まず、数日の予備日を見込んでおくことが大切です。
また、契約前に「雨天等で延びる可能性」について担当者から十分な説明を受け、万が一延期になった場合の連絡フローを確認しておくことで、慌てずに対処できます。
3-4.解体後のキズや塗り残しの確認
足場がなくなって初めて、外壁の全貌が見えます。
その際、
「足場のジャッキ(固定器具)があった部分の塗装が甘い」
「解体時に部材をぶつけて壁に傷がついている」
といった問題が発覚することがあります。 足場撤去後は、必ず担当者と一緒に建物を一周してチェックを行いましょう。
もし傷や塗り残しがあれば、その場で指摘し、補修の約束を取り付けることが大切です。これを「完了検査」として実施してくれる会社を選ぶことが重要です。
4.天候判断と追加費用の考え方|延期は安全の証

足場の解体は屋外作業のため、天候に大きく左右されます。「雨で延期になったら費用はどうなるの?」という疑問にお答えします。
4-1.雨天・強風時の延期判断基準
足場解体は高所作業であり、労働安全衛生規則によって厳しい安全基準が定められています。
微風や小雨程度なら、滑り止めなどの対策をして行うこともありますが、強風、大雨、降雪、路面凍結時は、作業員の転落や部材落下の危険性が高まるため、原則として中止・延期となります。
無理に作業を進める会社よりも、安全を優先して延期を判断する会社の方が信頼できると言えます。
参考:厚生労働省|足場に関する労働安全衛生法上の規定について
4-2.延期時の追加費用の考え方
天候不良や不可抗力(地震など)による工期延長の場合、追加の足場レンタル費用や人件費を請求されることは一般的ではありません。
多くの契約では、足場費用は「組立から解体までの一式」として見積もられています。
ただし、施主様の都合(急な予定変更など)で解体日を延ばす場合は、実費が発生する可能性があります。
契約時に「雨天順延の場合の費用」について確認しておくと安心です。
5.まとめ
足場解体の流れと注意点について解説しました。
所要時間は半日から1日程度で、特に午前中に騒音がピークを迎えます。トラブルを防ぐため、前日までに車や鉢植えの移動、近隣への挨拶を済ませておきましょう。
解体後は外壁の傷や塗り残しの最終確認も忘れないで行いましょう。
悪天候による延期は安全確保のためで、追加費用は原則かかりません。事前の準備が円滑な工事完了の鍵です。