外壁塗装はどこまで塗る

「外壁塗装をすると、どこまで塗ってもらえるのか?」
が気になっている方も多いのでは。

ずばり、外壁塗装では、基本的に “外壁にあたる箇所はすべて” 塗ります。
ただし、室外機・給湯器・(室外機や給湯器の)配管などの裏部分の外壁は、物理的に塗れないこともあります。

外壁塗装時には、あわせて雨樋・幕板などの付帯部も塗装するのが一般的ですが、外壁塗装で塗る箇所に、付帯部は含まれていません。
そのため、外壁塗装とあわせて付帯部塗装をする場合、外壁塗装の費用とは別に付帯部塗装の費用がかかります。
“付帯部塗装で、どこまで付帯部を塗るか”は、ケースバイケースです。
このあたり詳しくは、下記1-2&1-3で解説します。

“外壁塗装・付帯部塗装で、どこまで塗るか”は、契約前に塗装会社に確認をしましょう。
確認したいポイント・確認方法などについて詳しくは、下記2-1&2-2で解説しています。
あわせて、ぜひ、参考にしてください。

1.外壁塗装では、どこまで塗るのが一般的?

1-1.外壁塗装では、外壁箇所はすべて塗る

塗装職人が家の外壁にローラーで塗装

外壁塗装では、基本的に “外壁にあたる箇所はすべて” 塗ります。

2階建ての場合には、2階の外壁も塗ります。

ベランダの外壁部分も、外壁塗装で塗る箇所に含まれます。
※ベランダの床部分は、外壁塗装で塗る箇所に含まれません。ベランダの床部分のメンテナンスが必要な場合は、塗装ではなく、“防水工事”を行ないます。防水工事をする場合には、別途、防水工事の費用がかかります。 

家に設置された室外機

・“室外機や給湯器などの裏部分”の外壁
・“(室外機や給湯器などの)配管の裏部分”の外壁
なども、もちろん外壁塗装で塗る箇所に含まれます。
ただし、室外機・給湯器・(室外機や給湯器の)配管の裏部分の外壁などに刷毛やローラーが届かない場合などは、やむを得ず塗れないこともあります。

室外機ダクトカバー

室外機の配管はカバーで覆われていることもあります。
室外機の配管がカバーで覆われている場合には、下記いずれかの方法で外壁を塗ることになります。
カバーを取り付けたまま外壁を塗る
カバーを取り外して外壁を塗る(配管の裏部分の外壁は塗れないこともあります)
※カバーを塗るかどうかは、ケースバイケースです(カバーを塗れない場合もあります)。
※カバーの取り外しができないこともあります。例)カバーを取り外す際に壊れるリスクがある場合(カバーの劣化が大きく進行している場合等)、カバーの取り外しが難しい場合 
※カバーの取り外しの対応を行なっていない塗装会社もあります。
※カバーの取り外しには別途費用がかかることもあります。

上記以外にも、外壁の前に動かせないモノがある場合等に、外壁の一部が塗れないことがあります。


“外壁塗装で塗る箇所”に、屋根は含まれていません。
屋根も塗装したい場合には、外壁塗装とあわせて屋根塗装を依頼する必要があります。
※外壁塗装とあわせて屋根塗装をする場合には、外壁塗装の費用とは別に、屋根塗装の費用がかかります。

また、外壁の基礎部分も、外壁塗装で塗る箇所に含まれません。
ただし、基礎部分を塗装することはあります。
※基礎部分を塗装する場合には、別途、基礎塗装の費用がかかります。 

外壁塗装と屋根塗装は同時にすべし!お得&手間削減などのメリットあり

1-2.外壁塗装をする場合、あわせて付帯部塗装もするのが一般的

雨樋

外壁塗装をする場合には、外壁塗装とあわせて付帯部(雨樋・幕板など)も塗装するのが一般的です。

“どこまで付帯部を塗るか(どの付帯部を塗装するか)”は、ケースバイケースです。
このあたり詳しくは、下記1-3で詳しく解説しています。


“外壁塗装で塗る箇所”に、付帯部は含まれていません。
付帯部も塗装したい場合には、外壁塗装とあわせて付帯部塗装を依頼する必要があります。
※外壁塗装とあわせて付帯部塗装をする場合、外壁塗装の費用とは別に付帯部塗装の費用がかかります。

[参考]外壁塗装とあわせて付帯部塗装をするのには理由があります!

▼多くの人が外壁塗装とあわせて付帯部塗装をする理由
・住まいの塗装メンテナンス等にかかる費用を抑えられる
・外壁塗装だけ行なった場合、付帯部の傷み・汚れが悪目立ちする
・付帯部の塗装メンテナンス等をするタイミングを逃さずにすむ

このあたりの内容について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

付帯部とは何のこと?外壁塗装時に付帯部も塗装すべき?

1-3.外壁塗装時にあわせて塗装することの多い付帯部箇所

戸建てには、雨樋・幕板・軒天など様々な付帯部があります。
主な付帯部は、下記のとおりです。

【付帯部】
外壁の部位の名称

屋根の部位の名称2

上記の主な付帯部のうち、「▼外壁塗装時にあわせて塗装することの多い付帯部箇所」「▼外壁塗装時に塗装することもある付帯部箇所」は、下記のとおりです。

外壁塗装時にあわせて塗装することの多い付帯部箇所
・雨樋
・幕板
・軒天
・庇
・換気フード ほか

※「幕板」は塗装によるメンテナンスが必要な付帯部です(幕板の材質によっては、塗装によるメンテナンスが不要の場合もあります)。
「幕板」にひび割れ、塗膜の膨れ・はがれなどの劣化症状が生じている場合、塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えている可能性大です。塗装によるメンテナンスをせず、幕板に生じたひび割れ、塗膜の膨れ・はがれなどの劣化症状を放置し続けると、劣化が進んだ幕板箇所から雨水が浸入し、雨漏りを引き起こしてしまうことがあります。

外壁塗装時に塗装することもある付帯部箇所
・雨戸、戸袋
・シャッター
・室外機の配管のカバー(ダクトカバー)
・笠木
・水切り
・基礎巾木
・面格子(鉄)
・窓手すり(鉄)
・ポスト
・ドア
・門扉 ほか

屋根塗装時(or「外壁塗装+屋根塗装」時)に塗装することの多い付帯部箇所
・破風・鼻隠し ほか

※「破風・鼻隠し」は塗装によるメンテナンスが必要な付帯部です。
「破風・鼻隠し」にひび割れ、塗膜の膨れ・はがれなどの劣化症状が生じている場合、塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えている可能性大です。塗装によるメンテナンスをせず、破風・鼻隠しに生じたひび割れ、塗膜の膨れ・はがれなどの劣化症状を放置し続けると、劣化が進んだ破風・鼻隠し箇所から雨水が浸入し、雨漏りを引き起こしてしまうことがあります。

※上記の内容について詳しくは、こちらの記事で解説しています。


付帯部の材質等によっては、塗装によるメンテナンスができない場合や塗装によるメンテナンスが不要な場合があります。
例)水切りが銅製の場合、換気フードがステンレス製の場合 等

また、
塗装によるメンテナンスができない
劣化が大きく進行し、塗装では十分なメンテナンスができない
などの場合、付帯部の交換等が必要になることもあります。

2.“外壁塗装・付帯部塗装でどこまで塗るか”は契約前に確認を

2-1.“外壁塗装で、どこまで外壁を塗るか”は契約前に確認しておくと安心

塗装 チェック

外壁塗装では、基本的に“外壁にあたる箇所はすべて”塗るため、
施主(消費者)は“外壁塗装で、どこまで外壁を塗るか”を必要以上に気にする必要はありません。

ただし、1章でもお伝えした通り、外壁の前に何かがある場合(室外機・給湯器・配管など)は、その裏の外壁箇所はやむを得ず塗れないこともあります。
また、室外機の配管がカバーで覆われている場合には、カバーを取り付けたまま外壁を塗るか、カバーを取り外して外壁を塗ることになります。カバーは塗る場合・塗らない場合があります。

そのため、以下のポイント等については契約前に塗装会社に確認をしておくと安心です。
☑塗れない外壁箇所があるか 例)室外機の裏部分の外壁箇所は塗れない 等
(室外機の配管がカバーで覆われている場合)カバーを取り外す or 取り外さない
(室外機の配管がカバーで覆われている場合)カバーを塗る or 塗らない
このあたりのことを確認しないまま進めてしまうと、塗装後にトラブルが生じてしまうことがあります(※3章参照)

また、「カバーを取り外して外壁を塗ってほしい、あわせてカバーも塗ってほしい」などの要望がある場合には、契約前に塗装会社に伝えてください。
※カバーを塗れない場合もあります。
※カバーの取り外しができないこともあります。例)カバーを取り外す際に壊れるリスクがある場合(カバーの劣化が大きく進行している場合等)、カバーの取り外しが難しい場合  等
※カバーの取り外しの対応を行なっていない塗装会社もあります。
※カバーの取り外しには別途費用がかかることもあります。

2-2.“付帯部塗装で、どこまで付帯部を塗るか”は契約前に塗装会社が提案してくれる

“付帯部塗装で、どこまで付帯部を塗るか(どの付帯部を塗装するか)”はケースバイケースのため、
外壁塗装とあわせて付帯部塗装をする場合、施主(消費者)は“どこまで付帯部を塗るか(どの付帯部を塗装するか)”を契約前にしっかり検討・確認する必要があります。
外壁塗装をする場合には、外壁塗装とあわせて付帯部塗装もするのが一般的です。付帯部塗装をする場合、別途、付帯部塗装の費用がかかります(※1-2参照)。

提案

多くの塗装会社は、
・各付帯部の劣化症状や進行具合 ※各付帯部の劣化症状や進行具合は、建物診断(現場調査)時に確認します。
・施主(消費者)の予算
・施主(消費者)の要望
などを踏まえたうえで、どこまで付帯部を塗るのが良いか(どの付帯部を塗装するのが良いか)を提案してくれます。

施主(消費者)は、塗装会社からの提案を受けたうえで、外壁塗装とあわせて、どこまで付帯部を塗るか(どの付帯部を塗装するか)を検討するのが一般的です。


塗装会社の付帯部に関する提案内容(どの付帯部を塗装するのが良いか 等)は、見積書で確認します。
※塗装会社の多くが、見積書に“塗装する付帯部箇所”を明記しています。

見積書で付帯部に関する提案内容を確認する際には、以下のポイントについてチェックしておくと安心です。
☑付帯部塗装に関する記載があるか
見積書に付帯部塗装の記載がない場合には、塗装会社は付帯部塗装を想定していないはずです。
「塗装してもらいたい付帯部箇所がある」という場合には、その旨を塗装会社に伝えて、付帯部塗装を盛り込んだ見積書を提示し直してもらう必要があります。
☑塗装してもらいたい付帯部箇所が明記されているか
「付帯部一式」「雨樋等」など、どの付帯部箇所を塗装するのかが見積書に明記されていない場合は、塗装会社に依頼をして、“塗装する付帯部箇所を明記した見積書”を再度提示してもらうことをオススメします。
塗装する付帯部箇所が不明瞭なまま進めてしまうと、「塗装してもらえると思っていた付帯部箇所を、塗装してもらえなかった」など、施主(消費者)と塗装会社との認識のズレによるトラブルを引き起こしてしまうこともあります(※3章参照)
☑塗装してもらいたくない付帯部箇所が記載されていないか
☑各付帯部箇所の塗装にかかる見積額はいくらか

「なぜこの付帯部箇所を塗装する必要があるのか、よくわからない」
など、見積書の内容について疑問がある場合には、塗装会社に説明をしてもらいましょう。

3.“どこまで塗るか”でトラブルになることも!未然に防ぐ方法&トラブル対処法

3-1.“どこまで塗るか”でトラブル発生!?トラブルは契約前の確認で未然に防ぐべし!

外壁塗装では、基本的に“外壁にあたる箇所はすべて”塗装します。
そのため、“外壁塗装で、どこまで外壁を塗るか”でトラブルになることは、多くはありません。

しかしながら、室外機・給湯器・配管の裏部分の外壁などは物理的に塗れなかったり、室外機の配管のカバーを外す/外さない等は塗装会社によって対応が異なるため、
「室外機の裏部分の外壁も塗ってもらえると思っていた」
「(給湯器の)配管の裏部分の外壁も塗ってもらえると思っていた」
「室外機のカバーを外して、外壁を塗ってもらいたかった」
などのトラブルが生じてしまうことはあります。

また、付帯部については、“どこまで付帯部を塗るか(どの付帯部を塗装するか)”はケースバイケースのため、
「塗装してもらえると思っていた付帯部箇所を、塗装してもらえなかった」
「塗装してほしくなかった付帯部箇所を塗装されてしまった」
などのトラブルが生じてしまうことがあります。

業者 確認

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、契約前に、
“どこまで外壁を塗るか” “どこまで付帯部を塗るか”
を塗装会社にしっかり確認しておくことが重要です。

契約前にしっかり確認をして、施主(消費者)と塗装会社の認識のズレをなくしておけば、トラブルが生じてしまうことは、まずないはずです。

※契約前の確認について詳しくは(確認する内容&ポイント等)、2-1&2-2を参照ください。

3-2.トラブルが発生してしまった場合の対処法

すでに“どこまで外壁を塗るか” “どこまで付帯部を塗るか”でトラブルになってしまっている、という方もいるかもしれません。

「外壁に塗り残し箇所がある」
「見積書に明記された“付帯部の塗装箇所”が塗装されていない」
など、“本来塗装すべき箇所が塗装されていない”という場合には、すぐに塗装会社に伝えてください。
早々に対応してもらえるはずです。

一方で、
「室外機の配管のカバーは取り外して、カバー下の外壁も塗ってもらえると思っていた」
「塗装してもらえると思っていた付帯部箇所が、塗る箇所に含まれていなかった」
「塗装してほしくないと思っていた付帯部箇所が、塗る箇所に含まれていた」
などの場合には、施主(消費者)の契約前の確認不足もあることから、塗装会社に無償で対応してもらうのは、まず無理です。
「どうしても対応してもらいたい」という場合には、追加費用を支払うことで対応してもらえる場合もあります。
※対応の可否は、依頼する工事内容・依頼をするタイミング(足場の解体後は高所作業は難しくなります)等によっても異なります。

外壁塗装の塗り残しを見逃さない!塗り残しの判別ポイント

「外壁に塗り残し箇所があるのに、塗装会社が対応してくれない」
「見積書に明記された“付帯部の塗装箇所”が塗装されていないが、塗装会社が取り合ってくれない」
など困った状況に陥ってしまった場合は、専門の機関に相談してみるのも一つの手です。
何か解決の糸口が見つかるかもしれません。

▼トラブルが発生した時に頼れる専門の機関

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」
国土交通大臣から指定を受けた、住宅専門の相談窓口

消費生活センター
消費全般に関する苦情や相談の窓口

まとめ

外壁塗装では、基本的に“外壁にあたる箇所はすべて”塗ります。
ただし、
・“室外機や給湯器などの裏部分”の外壁
・“(室外機や給湯器などの)配管の裏部分”の外壁
などは、物理的に塗れないこともあります。

「雨樋・幕板などの付帯部箇所も、外壁塗装で塗る」と思われている方もいるのですが、それは間違いです。
付帯部は、外壁塗装で塗る箇所に含まれません。
しかしながら、外壁とあわせて付帯部を塗装することが多いのは事実です。
外壁とあわせて付帯部を塗装する場合、外壁塗装+付帯部塗装の費用がかかります。

“外壁塗装・付帯部塗装で、どこまで塗るか”は、契約前に塗装会社に確認をしましょう。
塗装後に「塗ってもらえると思っていた箇所を、塗ってもらえなかった」等のトラブル生じさせないために、契約前に確認したいポイントや確認方法等を2章でご紹介しています。
あわせて、ぜひ、参考にしてください。