新築やリフォームを行う際、屋根材はどの種類を選べば良いか迷っていませんか?
屋根材の選択は、お家の寿命、暮らしの快適性や、将来的なコストなど、生活に大きな影響を及ぼす大事な要素です。
しかし、いざ屋根材を選ぼうとしてもたくさんの種類があります。

「屋根材にはどんな種類があるの?」
「それぞれの屋根でメリット・デメリットはあるの?」
「結局、どの屋根材を選べばいいの?」

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ本記事をお役立てください。

1.屋根材の種類と特徴

1-1.屋根材人気Top5とそれぞれの特徴 

屋根材市場における素材別のシェアTop5は以下のとおりです。 

順位素材価格※特徴
1位金属屋根★★☆☆☆~ 
★★★★★ 
全国シェア4~6割を占めています。
高い耐久性と、瓦に比べて軽量なのが特長です。比較的安価なものから高価で性能が良いものまで幅広い種類があります。近年、新築で選ぶ方が多くなってきており、ガルバリウム鋼板を筆頭にシェアを伸ばしています。
2位スレート★☆☆☆☆ 安価かつ軽量な商品が多いことが特徴です。色などのデザインも豊富で施工業者も多いです。ただし、割れやすく定期的なメンテナンスが必要です。
3位和瓦★★★★☆ 高い耐候性を持っており、塗装メンテナンスが不要であるため、メンテナンスコストが低いです。また、断熱性・遮音性にも優れています。
ただし、重量が重いため住宅の構造躯体が強固である必要があります。価格も高いものが多いです。
 
4位アスファルトシングル★★☆☆☆ スレートほどではありませんが、比較的安価で防水性や柔軟性、デザインに優れています。難点として強風に弱く、石粒が剥がれることもあります。 
5位ジンカリウム鋼板★★★★☆ ガルバリウム鋼板とほぼ同じ屋根材です。
ジンカリウム鋼板というと自然石粒を付着させた鋼板が主流となっており、この石粒付をジンカリウム鋼板と呼ぶ施工店も多いです。 デザイン性が高く、比較的高価な屋根材となります。

※★が多いほど高価格な傾向にあります。

1-2.ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板の特徴・製品紹介

金属鋼板に、アルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキを施したものです。
アルミニウムが持つ耐久性と耐熱性の発揮、表面の亜鉛が腐食することで内部の金属素材が錆びることを防止するガルバニックアクション(犠牲防食作用)が起きることにより、亜鉛の鉄板の約3~6倍の耐久性が期待できる優れた鋼板です。
また、ジンカリウム鋼板という似た鋼板がありますが、成分がごくわずかに違うだけで、屋根材としての性能や防水効果はほぼ同じものです。
日本では、ジンカリウム鋼板は「石粒付のもの」が多く流通しているため、石粒付のものに限定して「ジンカリウム鋼板」と分類している施工店もあります。

製品名ガルバスタスーパーガルテクト
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画像出典:日鉄鋼板株式会社

画像出典:アイジー工業株式会社
会社名日鉄鋼板株式会社 アイジー工業株式会社
製品の特長海岸・工業地域など厳しい環境でも高い耐久性を発揮します。クロメートを含まない被膜で環境にも配慮。 耐熱性・熱反射性が高く、屋根や家電用途に有効で、美観・加工性・塗装性も良好です。 遮熱性鋼板と断熱材の相乗効果で優れた断熱性能を発揮。 
葺き上がりを一層引き立てる卓越した質感を誇る特殊な「ちぢみ塗装」を採用した、意匠性に富んだ屋根材です。 

 

1-3.トタンの特徴紹介

鉄の薄板(鋼板)に亜鉛メッキを施した建材のことです。亜鉛メッキによって鉄の内部まで錆びることを抑制します。
ただし、完全に抑制できるわけではないため、定期的なメンテナンスが必要です。近年はトタンより錆びにくく、機能性も高いガルバリウム鋼板を選択する人が増えています。

 

1-4.スレートの特徴・製品紹介

セメントと繊維を成形して作られた板状の瓦です。平たい形状のため、太陽光パネルを設置しやすいメリットがあります。
軽量で耐震性に優れており、比較的安価かつカラーバリエーション・種類が豊富です。 

注意!!
2004年以前に製造されたスレートは石綿(アスベスト)を含む製品が多く、葺き替えにはアスベスト処分費が追加されます。 

・代表製品の一例 

製品名コロニアルグラッサ グランネクスト うろこ 
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画像出典:ケイミュー株式会社

画像出典:ケイミュー株式会社
会社名ケイミュー株式会社
製品の特長海岸・工業地域など厳しい環境でも効果を発揮します。クロメートを含まない被膜で環境にも配慮。 耐熱性・熱反射性が高く、屋根や家電用途に有効で、美観・加工性・塗装性も良好です。 遮熱性鋼板と断熱材の相乗効果で優れた断熱性能を発揮。 
葺き上がりを一層引き立てる卓越した質感を誇る特殊な「ちぢみ塗装」を採用した、意匠性に富んだ屋根材です。 

 

1-5.セメント瓦の特徴・製品紹介

セメント瓦は、セメントと砂を主原料として作られる瓦です。
和瓦より安価、かつデザイン性も豊富に提供されていました。しかし、定期的な塗装メンテナンスの必要性や割れやすさ、和瓦同様の重量があるため、製造しているメーカーは年々減っており、瓦が一部壊れた場合同じものが手に入りにくくなってきています。 

・代表製品の一例 

製品名セメント瓦Looga
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画像出典:(株)日南セメント瓦工業所

画像出典:ケイミュー株式会社
会社名日南セメント瓦工業所 ケイミュー株式会社
製品の特長熱に強い瓦で、和瓦と比べると初期費用も抑えられることは特徴です。
ただし、和瓦と違い塗装によるメンテナンスが必要な瓦です。
モダンな和の上質感を生む、曲線と直線の絶妙なハーモニーが特徴です。

 

1-6.モニエル瓦の特徴紹介

1970年代~80年代にかけて人気をはくした輸入品の瓦屋根です。陶器ではなく、コンクリートでできた瓦です。塗装によるメンテナンスが必要ですが、メンテナンス時は特有のスラリー層と呼ばれる箇所の対策をしないと塗装が剥がれる場合もあります。

日本では1973年から日本モニエルという会社が代理店となり取り扱っていました。しかし、2010年に日本モニエルが撤退し、現在モニエル瓦は生産されていません。

1-7.アスファルトシングルの特徴・製品紹介

ガラス基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付け接着した屋根材です。
柔らかいため、他の瓦のような硬い屋根材のようにひび割れたり、金属屋根材のようにサビついたりしません。しかし、強風によって剥がれや破れが起きる場合があります。

・代表製品の一例 

製品名ファイバーグラスシングル リッジウェイ アスファルトシングル アルマ オークリッジスーパ
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画像出典:旭ファイバーグラス株式会社

画像出典:ニチハ株式会社

画像出典:オーウェンス コーニング ジャパン合同会社
会社名旭ファイバーグラス株式会社ニチハ株式会社 オーウェンス コーニング ジャパン合同会社
製品の特長2層構造と粒状彩色石のグラデーションにより、立体感ある陰影で深みのある屋根を演出します。重量は瓦の約1/4、化粧スレートの約1/2と軽く、建物負担が少なく耐震性に優れます。米国生まれの歴史あるアスファルトシングル屋根材。 軽量で、優れた耐久性と洗練されたデザインが魅力です。 従来のアスファルトシングル材とは大きく異なっており、高耐久ファイバーグラスマットを芯材とする2層構造からなっており、極めて高い耐久性と立体的で独特な意匠性を実現しています。

1-8.瓦の特徴・製品紹介

瓦とは粘土を一定の形に固めて焼いたもので、一般的には和風建築の屋根で「和瓦」として用いられています。和瓦は日本各地に名産地があり、
特に、愛知県の「三州瓦」、鳥取県の「石州瓦」、兵庫県の「淡路瓦」が有名です。

製品名三州瓦 石州瓦淡路瓦
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画像出典:愛知県陶器瓦工業組合

画像出典:石州瓦工業組合

画像出典:淡路瓦工業組合
会社名瓦は厳しい自然環境に耐える耐久性があり、最新のガイドライン工法で施工すれば災害にも強い安心な屋根になります。粘土瓦は通気性が高く結露を防ぎ、夏は涼しく冬は暖かく快適で住宅も長持ち。初期費用だけでなく30年視点ではコスト面でもお得です。 1200度以上の焼成温度により、石州瓦には耐久性、断熱性、防水性、耐塩害性、耐凍害性能などほぼ全ての性能面において高い次元でバランスされた特徴があります。 美しい銀色のいぶし瓦」としては、シェア率が全国で最も高い瓦ですいぶし瓦は三州瓦、石州瓦に比べ低温でじっくり焼くことが特徴です

瓦に関するより詳しい情報はこちらで紹介しています

自宅の「瓦」はどのタイプ?種類別の特徴と劣化サイン、対処法まとめ

1-9.その他の製品

製品名陶板波型スレート折板屋根
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画像出典:瓦屋根ドットコム

画像出典:チヨダセラ株式会社
屋根材の特長陶器である和瓦と同様の素材を軽量化した屋根材です。 セメントに繊維素材を混ぜて圧縮成形した断面がの形をしたスレート。工場や倉庫などの大型の建物で使われることが多い屋根材です。
 
屋根の頂部の棟から軒先までを1枚物の金属をクレーンで持ち上げて張っていきます。倉庫・体育館などの大型建築で多用される金属屋根です。 

 

2.屋根材を決めるうえで抑えるべきポイント 

2-1.機能性で選ぶ

屋根は建物全体を紫外線や雨風から守り、機能性を意識した屋根選びも大切です。
屋根の持つ機能性としては以下のようなものがあります。

耐候性…紫外線、湿度、温度変化などの環境要因への耐性で、耐候性が高いほど長く建物を守ることができます。
遮音性…遮音性を高めることで屋根にあたる雨音を軽減でき、室内環境を向上することができます。
防火性 防火性を高めることで、隣家からのもらい火などを防ぐことができます。特に密集している住宅街では重要になっています

また、屋根自体も紫外線や温度変化などによって経年劣化します。適切な耐用年数を持つ屋根材を選び、計画的なメンテナンスを行うことが、家を快適にかつ長持ちさせるためには必須となります。 

 

2-2.初期費用とメンテナンス費用のバランスを考える

屋根材を選ぶ際に意識したいこととして「メンテナンス費用」があります。
例えば、昔ながらの和瓦は、初期費用が高くなりますが、塗装メンテナンスは不要で、漆喰の補修や瓦がずれてしまった場合の積みなおしが基本になります。
逆に、スレートやモニエル瓦、金属屋根は初期費用を抑えやすく種類によって重さも軽いものがありますが、定期的な塗装メンテナンスが必須です。
それぞれの初期費用とメンテナンスにかかる費用を考慮して、ご自身にあった屋根材を選ぶことが重要です。 

2-3.デザインを意識して選ぶ

屋根は建物の外観に大きく影響する重要な箇所です。
機能性や価格も重要ですが、「長く住むうえで納得のいくお家」のイメージからアプローチすることも大切です。
また、デザインを意識する際は屋根材のデザインだけでなく、家全体の雰囲気・周辺住宅の色合いとの相性も考慮すると良いでしょう。

2-4.建物の条件にあった屋根材を選ぶ 

屋根材を選ぶ際は、建物の条件に合った屋根を選ぶ必要があります。 

■住んでいる地域の環境

豪雪地帯:雪の重みに耐えられる強度や、雪下ろしの負担を軽減する機能を持った屋根材がおすすめです 。
沿岸部:潮風によって金属がさびやすいため、錆に強い屋根材が必要です。
台風の多い地域:暴風雨に強い、耐風性・防水性が必要です。 

■屋根の形状 

緩勾配な屋根:水はけの問題から、和瓦など水がはけにくい屋根材は適していない場合があります。スレートなどの水はけが良い屋根材を使うことをおすすめします。
複雑な形状の屋根:屋根の形状に曲線があったりする場合は加工性の高い屋根材が必要です。 

■建物の構造 

瓦などの重い屋根材を施工すると建物の重心が高くなり耐震性が低下するため、「構造躯体の強度が高い」住宅である必要があります。 

2-5.信頼できる業者を見極める 

どんなにいい屋根材・納得のいく屋根材を選ぶことができても、施工する業者次第ではその性能を十分に発揮することはできません。以下の記事では、業者の良し悪しの判断方法を紹介しています。 

屋根リフォームの適した方法3選と業者選びの方法まで

 3.まとめ 

本記事では屋根材の役割、屋根材の種類とそれぞれの屋根材の特徴、屋根材を選ぶうえでの注意点をご紹介しました。
屋根は「お家の帽子」のようなもので、お家を守り、デザイン性を高めるものです。そのため、お家に合った「納得のいく屋根材を選ぶ」ことがとても重要です。
どんな屋根材にしたいのか本記事の内容をぜひ参考にされてください。