スレート屋根

スレート屋根は軽量で施工性が良く、比較的安価なため多くの住宅の屋根に使用されています。
しかし安価ゆえに、本当に自宅で使用して良いのか、デメリットや注意点はないのか気になる方もいるかと思います。

結論から言うと、スレート屋根は
・メンテナンスを前提に、安価な屋根材をお探しの方
・様々な色やデザインから選んでおしゃれな屋根にしたい方
・地震の対策を考えている方

におすすめの屋根材です。

ただし、スレート屋根にはいくつか注意すべき点があり、しっかりとした知識がないとメンテナンスで想定した金額より多く費用がかかることもあります。

今回は、スレート屋根の基礎知識や種類、特徴、メンテナンスについて詳しく説明します。
・屋根リフォームでどんな屋根材に使用か悩んでいる
・リフォームでスレート屋根の提案を受けているが、メリット・デメリットを知っておきたい
・スレート屋根のメンテナンスについて知りたい
そんな方はぜひご覧ください。

スレート屋根とは?基本知識を解説!

まずは、スレート屋根とはどんな屋根材なのか説明していきます。
スレート屋根とは一般的に「化粧スレート」と呼ばれる「セメントを主成分とした薄い板状の屋根材」です。
戸建て住宅では、株式会社ケイミューの発売する「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ばれる商品が人気で、シェアのほとんどを占めています。

1-1.スレート屋根のメリットはコスパとデザイン性の高さ

スレート屋根は、材料代が安価であること、施工がしやすく短い工期で済むことから、安価で施工可能です。また、軽量なため建物への負担が少なく、地震対策としても有効な屋根材です。
さらに、色や形の種類が豊富でデザイン性が高いというメリットもあります。

1-2.スレート屋根はデメリットはメンテナンス

様々な魅力のあるスレート屋根ですが、注意が必要なこともあります。
1つ目は、定期的なメンテナンスが必要だということです。スレート屋根は、定期的に塗装や葺き替えなどのメンテナンスによって補修や修繕を行う必要があります。
2つ目は、1990年代~2004年までに製造されたスレート屋根はアスベストを含んでいる可能性があるという点です。普段の生活ではアスベストが人体に悪影響を及ぼすことはほぼありませんが、撤去する際にアスベストが飛散します。そのため撤去時に飛散防止対策が必要となり、その分費用が高くなってしまいます
3つ目は、他の屋根材より耐用年数が短い傾向にあるということです。和瓦や金属屋根といったほかの屋根材と比較した際、屋根材としての寿命が短いです。また、スレート屋根は製造された時期によっても耐用年数が変わるため注意が必要です。

2.スレート屋根は製造時期で耐用年数が異なる

スレート屋根は定期的なメンテナンスを行う必要があります。
注意すべき点として、スレート屋根は製造された時期で3つの世代に分けられ、世代ごとに耐用年数が異なるため、メンテナンス周期も変わってきます。

2-1.【第一世代】耐用年数は長いがアスベストを含有するため注意が必要


スレートが普及し始めた時期~2004年頃まで製造されていた第一世代のスレート屋根は、耐用年数は30~40年と比較的長く、強度があるため割れや欠けに強く、耐火性にも優れ安価である利点がありました。しかし、アスベスト(石綿)を使用した素材であったため、健康被害が問題視され、2004年以降、重量の1%を超えるアスベストを含有するスレート屋根は製造・使用・輸入が全面的に禁止され、以降猶予期間を経て、重量の0.1%を超えるアスベストを含むスレート屋根の使用も段階的に全面禁止されています。
ただし、
第一世代のスレート屋根だからすぐに健康被害が出るというわけではありません。

アスベストが含まれていたとしても、「スレート屋根を割る」などをしなければ日常生活において問題はないとされています。ただし、スレート屋根は割れやすい素材のため、DIYのために屋根の上にのぼるなどの行為をすることはお勧めしません。

代表製品

ニューコロニアル

アーバニー

フルベスト

画像出ケイミュー株式会社
Topic 第一世代のスレート屋根のリフォームは注意が必要

注意しなければならないのは、第一世代のスレート屋根のメンテナンス時です。
アスベストを含む製品のため、撤去費用が通常より多くかかります。リフォームの方法は主に「葺き替え」か「カバー工法」の2つの選択肢があります。■葺き替え
葺き替えは、既存の屋根を撤去し新しい屋根材を張り替える方法です。
アスベストが含まれている場合は、アスベストの飛散対策で費用が追加でかかってしまいます。
■カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材を撤去せず、上から新しい屋根材で覆う方法です。
撤去費用が掛からないため、比較的安く済みますが、「劣化が激しい場合は内部から老朽化してしまう」、「劣化に気づきにくくなる」、「屋根が重たくなった結果、地震の際に倒壊しやすくなる」、「次にメンテナンスを行う時はアスベストの撤去費用+カバー工法で使用した屋根材の撤去費用になりより高額になる」といったデメリットがあります。「信頼できる業者ときちんと相談した上で施工する」ことが大切です。

 

2-2.【第二世代】アスベストを含有しないが、第一世代より耐用年数が短い

1990年代後半から2000年代中頃に製造された第二世代のスレート屋根はアスベストを含まない製品です。しかし、アスベストの代替品の性能が十分でなかったため、耐用年数は15~25年と第一世代よりに短くなっています。
また、性能が十分でないために、脆く割れやすいデメリットがあり、15年で屋根材が沿ってしまったり、欠けてしまったり、強風で剥がれ落ちてしまったりということもありました。
さらに、耐用年数が短く塗装してもすぐにダメになってしまうため、「塗装によるメンテナンスは意味がない」という欠点もあります。

代表製品

コロニアルネオ

パミール

画像出プロタイムズ西東京田無店
画像出典:プロタイムズ西東京田無店

1-4.【第三世代】問題点を克服し、長い耐用年数

2000年代後半~現在まで製造されている第三世代のスレート屋根はアスベストを含まないかつ、耐用年数も30年程度はあるといわれています。新築の屋根材として幅広く利用されています。

代表製品

コロニアルクァッド
画像出典:ケイミュー株式会社

コロニアルグラッサ
画像出ケイミュー株式会社

3.スレート屋根と他の屋根材との比較

スレート屋根の基本的な知識をご紹介しました。
本章では、スレート屋根自体のメリットやデメリットを踏まえて人気な屋根材であるガルバリウム鋼鈑、和瓦との比較を行います。

屋根材名写真価格重さ塗装などの
メンテナンス
丈夫さ
スレート非常に安価軽い必要脆いため、割れや欠けが発生する
ガルバリウム鋼鈑安価非常に軽い必要丈夫で壊れにくい
和瓦高価重い不要非常に丈夫で壊れにくい
屋根材選びの注意点
屋根材が重い場合下にある建物へのダメージが大きくなったり、地震の際に倒壊しやすくなったりします。重たい屋根材を選ぶ際は建物もその分丈夫な構造である必要があります。

スレート屋根はとても安価で比較的軽い素材なため、初期費用を考えると選びやすい屋根材です。しかし、割れや欠けといった不具合が起きやすかったり、塗装による定期的なメンテナンスは必要なため、自身のライフプランに合わせて他の屋根材と比較検討することをお勧めします。
より多くの屋根材について知りたい方はこちらの記事を参照ください。

屋根材の種類を徹底解説!代表的な製品・選び方のポイントまで紹介

4.スレート屋根の劣化症状一覧

スレート屋根のメンテナンス時期の目安となる、劣化症状をまとめました。

4-1.色褪せ

スレート屋根が色褪せしている様子

表面の塗装が紫外線により劣化し、塗料に色を付ける「顔料」が破壊されることで色褪せや変色が起きていきます。劣化の初期症状のため、ほかの症状が出る前に塗装によるメンテナンスを行うことが大切です。

4-2.塗膜の剝がれ

劣化進んだ結果、塗膜が剥がれることもあります。塗膜が剝がれるほど劣化すると、防水性が失われてしまい、雨漏りや瓦自体へのダメージにつながります。

4-3.カビ・コケの繁殖

スレート屋根にカビ・コケが発生している様子

塗膜が劣化し防水効果が切れると、カビやコケの胞子が屋根に根付き、繁殖することがあります。景観によくないのも勿論ですが、カビ・コケの繁殖によって瓦自体がもろく壊れやすくなってしまいます。

4-4.ひび割れ、欠け

スレート屋根のひび割れ現象を説明している画像

防水効果が切れることで「スレート自体が水を含みやすく」なり、雨の日に水分で膨張、晴れの日に水分が蒸発して収縮を繰り返し割れてしまうこともあります。放っておくとひびが広がり、欠けてしまうこともあります。欠けた箇所が大きいと大規模な改修が必要になる場合もあるため、注意が必要です。

4-5.反り

スレート屋根の反り現象を見せている画像
画像出プロタイムズ福島店

スレート瓦は、水を含んだのち晴れた日に急激に表面が乾くことで反ってしまいます。一度反ってしまったスレートは元には戻りません。反ってしまったスレート瓦は割れやすく、交換の必要があります。

4.スレート屋根のメンテナンス方法3選

スレート屋根の劣化症状を発見した場合、どのようなメンテナンスを行うべきかをご紹介します。

4-1.塗装

スレート屋根の塗装のイメージ画像

最も手軽で、定期的なメンテナンスとして一般的な方法です。
塗装によって防水性や耐候性を再度向上させることができます。
また、塗料の種類によっては「遮熱性の付与によって夏場の省エネに貢献」したり、「汚れの付着やカビなどを防止」したりすることもできます。
こんな人におすすめ
工事費用を抑えたい
・屋根の劣化が比較的軽度な方である(大きな損傷がない場合)
・美観を回復させたい
・定期的にメンテナンスを行うことで屋根を長く維持したい

4-2.カバー工法

屋根カバー工法の説明画像

既存の屋根の上に「新しい屋根をかぶせる」施工です。
葺き替え・葺きなおしと違って、古い屋根を剥がす必要がないため、「工事費用と工期を抑える」ことができます。
またアスベストを含む第一世代のスレート屋根においては、アスベストを「封じ込め」できるメリットもあります。
ただし、粘土瓦・モニエル瓦・セメント瓦といった「分厚くて重たい瓦」で行うと屋根への負担が大きくなりすぎ危険なため、スレート瓦や瓦以外の軽い屋根でのみ行うことができます。
また、劣化の補修や修繕にはつながらないため、スレート屋根の劣化状況次第で施工してもすぐに葺き替えしなければならない状態になる可能性もあります。
施工する場合は、業者とのしっかりとした話し合いが大切です。
こんな人におすすめ
・2004年以前に製造された第一世代アスベストを含むスレート屋根のお宅の方
・断熱性や遮音性の向上も期待したい
・工事期間を短くしたい
・廃材処分費用を削減したい

4-3.葺き替え・葺きなおし

葺き替え工事の様子の画像

既存の屋根材を撤去して、「新しい屋根材に張り替える」施工方法です。 既存の屋根材から金属屋根や、瓦に葺き替えることもできるため、「屋根材の交換が必要な場合」だけでなく、「全く違う屋根材に替えたい」場合にも施工されます。
こんな人におすすめ
・スレート屋根材が寿命を迎えている
・屋根の劣化が著しく、下地(野地板)の傷みや雨漏りが進行している
・屋根をより軽くして、耐震性を向上させたい
・予算をかけてでも、屋根の根本的な問題を解決したい方
・葺き替えによって屋根材を一新し、家の雰囲気をがらりと変えたい

 

5.信頼できる施工業者の選び方

メンテナンスをする際に大事なのは業者選びです。
メンテナンスが大事とは言ってもどんな業者を選べばいいのか不安ですよね。工事で失敗しないためにもこちらの記事にて業者の良し悪しを紹介しております。

屋根リフォームの適した方法3選と業者選びの方法まで

まとめ

本記事では屋根材の役割、屋根材の種類とそれぞれの屋根材の特徴、屋根材を選ぶうえでの注意点をご紹介しました。
屋根はお家の帽子のようなもので、見た目を良くするだけでなく、お家を雨や紫外線から守る重要な部位です。
だからこそ、お家に合った「納得のいく屋根材を選ぶ」ことがとても重要です。
ぜひ本記事を参考に、ご自宅がスレート屋根に向いているのか、メンテンナンス方法について参考にされてください。